イオンの新業態「フードスタイル」は何を変えたのか 客数・売上が1.5倍に伸びた理由(6/6 ページ)
イオン系スーパーの新業態「FoodStyle(フードスタイル)」が好調だ。2026年3月7日に開業した1号店の「フードスタイル三田店」では、業態転換により客数・売り上げともに約1.5倍に伸長した。同社が狙ったのは、商品・売場・環境の「若返り」。共働き世帯や子育て層を呼び込むために、何を変えたのか。
「安い」だけでは厳しい
新業態になってから、お客から「総菜の種類が増えてうれしい」「店内で焼いたパンがおいしい」といった声もあるが、その一方で、課題もある。限られた人手の中で品質を保っていくのは容易ではなく、試行錯誤が求められる。
現在は、実験の一環として、店内でイチから手作りしているものが多い。ただ、これを継続するのは人手の問題で難しい。工場で半分までつくって、店内で仕上げ処理をするなどプロセスを効率化しつつ、品質を維持できるラインを見極めていく必要がある。
近隣に住むターゲットへのアプローチも重要となる。折込チラシは入れているが、紙の新聞を購読している30〜40代は少ない。そこで、SNSチームによるInstagramの発信も強化しているという。
近年は、ドラッグストアでの食品の充実やコンビニのスーパー化など、スーパーマーケットを取り巻く環境は厳しさを増している。オーケーやトライアル、ラ・ムーなど、低価格をうたうスーパーも台頭している。そんな中で選ばれるには、「安いだけではダメだ」と阿部氏は話す。
「低価格に加えて、新鮮、新しい、楽しいといった価値を打ち出したのがフードスタイルです。品質に対して納得いただける価格帯にこだわり、同時にワクワク感も提供する。例えば、手作りのシュークリームは約300円とやや高いのですが、見栄えや豊富な種類にもこだわり、人気商品となっています」
7月3日には、初の大型店舗「フードスタイル船堀店」が開業したばかり。従来の店舗の約2倍の広さがある同店では、これまでになかった「食体験」を提案していくという。POC(概念実証)の場と位置付けられたフードスタイルで、次はどんな挑戦が見られるのか。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月からは東京拠点。
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