コラム
「どんぶりがない」から生まれた カップヌードル誕生の意外な発想:大阪ビジネス(2/3 ページ)
世界中で年間1000億食以上が消費されるインスタントラーメン。その原点には、数々の失敗を乗り越えながら課題を一つずつ解決していった安藤百福の執念と発想力があった。
当初は、国鉄の初乗り運賃が10円の時代に35円で販売したことで、なかなか受け入れられませんでしたが、一度食べれば人々はその便利さと味の虜になり、爆発的なヒットとなりました。
しかし、安藤百福氏の真のすごさは、ここで満足しなかった点にあります。1966年(昭和41年)、「どんぶり」という日本の常識が通用しない米国へ視察に行ったときのこと。現地のバイヤーは、チキンラーメンを小さく割り、紙コップに入れてお湯を注ぎ、フォークで食べ始めました。
これを見た安藤氏は衝撃を受けました。米国にはどんぶりも箸(はし)もありません。インスタントラーメンを世界的にヒットさせるには、食習慣の違いを乗り越える必要があると気づいたのです。そしてこの経験をヒントに、麺をカップに入れてフォークで食べる新製品の開発に取りかかりました。ここから、安藤氏はどんどん常識を打ち破っていきます。
麺をカップに入れる際、最初はカップに麺を落とし込もうとしましたが、どうしても麺が傾いて底に収まりません。悩み続けていたある日、布団で横になっていると、急に天井がひっくり返ったような錯覚に陥ったそうです。
そのときに、「麺を落とすんじゃなく、麺の上にカップを被せて、ひっくり返せばいいんだ」と気づき、確実に麺を充てんできるようになりました。
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