2015年7月27日以前の記事
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AIが破壊するIT業界の“人月商売” 「SIerの死」後に“生き残る者”の正体(3/6 ページ)

米Anthropicの機能発表で約8300億ドルの時価総額が消し飛んだ「AIショック」。画面の使いやすさで稼いできたSaaSや、時間と人数を積み上げるSIerの「人月商売」が崩壊の危機に直面している。だが、業界ルールにのっとった複雑な計算(ビジネスロジック)を握る企業は依然として強い。真の構造変化はどこで起きているのか。AIに仕事を任せるための「安全管理」の難所と、「現場派遣型エンジニア」(FDE)の正体に迫る。

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「画面の使いやすさ」だけではもう売れない 入力者が消える時代の価格競争

 では画面の見やすさに頼らず、純粋に「データの金庫」としての機能を提供するSoR企業なら安泰かといえば、そうでもない「結局(業務の根幹である)ビジネスロジック(計算の仕組み)とセットでなければ意味がないんです」と伊藤氏は言う。

 例えばFinatextが手掛ける貸付サービスでは、顧客の年収が登録されると、法律にのっとって「いくら貸せるか」が常に計算され、記録される。年収のデータを持つこと自体は難しくない。価値があるのは、複雑なロジックで計算・転換された結果が100%の再現性でたまり続けることだ。「AIはあくまで確率論でしかない」。100%正しくなければならない計算は、AIには任せられない。

 このロジックをどれだけ豊富に持っているかが、そのまま参入障壁になる。金融の基幹システムは膨大なロジックの積み上げであり、数社の寡占状態にあるのが現状だ。膨大なビジネスロジックを網羅し、その正しさを証明できなければ参入できない。Finatext自身、証券領域で「5年かけてやっと一部の機能がそろってきた」段階だという。

 逆にいえば、今からSoRを作りロジック部分を開発しても、先行する大手に追い付くのはほぼ不可能で「すでに握っている者」が強いといえる。

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