「公文式」が営業利益165億円の“爆益ビジネス”に急成長 無駄のない「もうかる仕組み」がすごかった(3/4 ページ)
なぜ公文は「1000億円企業」と呼べる高収益を維持できるのか。決算書を読み解くと、街の教室の風景からは見えない、極めてよくできた稼ぐ仕組みが浮かび上がる。
少子化を打ち消す「世界の公文」
国内の生徒数は人口減で頭打ちだが、公文における稼ぎの土俵はもはや日本にとどまらない。
同社は連結営業利益が増加した要因について「主として海外連結子会社の学習者数の増加による」と説明しており、海外連結子会社の学習者数は123万人と前年から5万人以上増え、日本発のメソッドが世界で会費を生む一種の教育を輸出するようなビジネスモデルに育っているといえそうだ。
ただし、決算の読み方には一点注意がいる。
連結営業利益が過去最高を更新した一方で、当期純利益は117億円と前期比11.6%減となっている。これは本業の減速ではなく、前期の円安による為替差益の反動で、当期は円高による為替差損が出たことなどが理由だという。
プリントという知的財産
このモデルが桁外れの利益率を生むもう一つの理由が、商品の正体にある。
公文の中核商品は、半世紀以上かけて磨かれてきた「到達度別のプリント教材」だ。
やさしい問題から少しずつ難易度を上げるこの教材体系は、一度作り込んでしまえば、あとは何百万人にコピーして配ろうと追加の開発費はほとんどかからない。いわば限界費用がほぼゼロの知的財産である。
実際、公文は61の国・地域に約8900の海外教室を展開しており、全世界の学習者数は357万人に達する。
算数のような世界中で使い回せる教科を中心に、プリント教材を翻訳しているため横展開のコストが小さいと考えられる。
校舎やシステムに巨額投資が要るビジネスではなく、一度完成させた教材IPを多言語・多地域に薄く広く配る。プリントという紙でありながらも、ソフトウェアのような収益構造になっているといっても過言ではない。
校舎を持たないフランチャイズと、限界費用ゼロの教材IPという2段構えが、自前で校舎と講師を抱える教育事業者と異なるわけだ。
海外で稼ぐ比率が高まったぶん、最終利益は為替の影響を受けやすくなった。つまり「世界の公文」へ着実に事業の幅を拡大している様子がうかがえる。
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