なぜ地方で「ローカル億ション」が増えているのか 人口30万人の街にも、バブル期以上の勢い(3/4 ページ)
大都市圏だけでなく、地方都市でも1億円超の「ローカル億ション」が増えている。東京の物件とは異なる、地方ならではの購入層や、増え続ける背景にある「地方特有の事情」とは。
なぜ地方で「億ション」が増えているのか
地方都市における億ションの誕生はバブル期以来の現象だ。不動産専門のデータ会社である東京カンテイ(東京都品川区)の資料(出所:全国 新築億ション住戸の供給戸数 2025)によると、バブル崩壊以降、億ションはほぼ首都圏や近畿圏に集中し、地方都市の物件数はわずかだった。
だが、2010年代後半から地方都市でも徐々に増え始め、2020年代に入るとさらに増加した。宮城県ではバブル期の5年間に27戸だった供給戸数が、2021〜2025年の5年間では48戸に増えた。茨城県もバブル期の11戸に対し、直近5年間は16戸。岡山県ではバブル期の1戸から、直近5年間は51戸へと大きく増えた。
億ションの市場の中心は、2025年に5947戸が供給された東京であることに変わりはない。石川県(バブル期26戸、直近5年間8戸)のような例外も多いが、一部の地方都市では近年、億ションが増えたことが分かる。
ローカル億ションが増えた背景には、高齢化がある。地方の高所得者は従来、マンションではなく土地の広い家を選ぶケースが多かった。だが、老後を見据え、地方都市の中でも利便性の高い中心地のマンションを選ぶ人が増えている。「車に乗らずに店に行ける」「病院が近い」といった点が、駅近マンションのメリットだ。
駅前百貨店の衰退が示すように、地方都市では大型商業施設の郊外化が進んだ。一方、コンビニや飲食店など日常的に利用する小規模な店舗は、ターミナル駅付近に集中している。北海道の不動産業者によると、中間層、富裕層を問わず、除雪を避ける目的で郊外の戸建てからマンションへ住み替える高齢者も増えているという。
また、タワマンのような高層階の物件に関しては、都心と同様に景色やステータス性など、必ずしも合理的ではない理由で求める人も一定数存在する。
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