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ドコモの「4.5%還元」は誰が負担するのか カード還元「1%の壁」の向こう側「ポイント経済圏」定点観測(3/4 ページ)

ドコモが打ち出した最大4.5%のdポイント還元。その高還元は、どこから生まれるのか。原資をたどると見えてきたのは、カード競争ではなく、銀行口座を巡る争いだった。

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答えは条件に書いてある

 条件を順に見ていこう。銀行引落特典は、dアカウントを銀行に連携し、dカードの引き落とし口座を「ドコモの銀行」に変えれば、初年度は2.0%が付く。券面のグレードは問わない。カードを替える必要も、買い物を増やす必要もない。ただし上限は月3000ポイントで、還元率2.0%で計算すると月15万円の利用で頭打ちになる。


上乗せ特典は月3500ポイントで頭打ち。銀行特典は月3000ポイント(+2.0%なら買い物15万円分)、証券特典は月500ポイントが上限になる(ドコモFGのリリースを基に筆者作成)

 証券特典の+1.5%は、証券口座にもdアカウントを登録した上で、銀行口座との自動入金(スイープ)を設定して0.1%、dカード積立とd払い残高積立を合計で月3万円以上続けて1.4%。こちらの上限は月500ポイントしかない。

 決済のシェアがほしいなら、使えば使うほど得になるように作るはずだ。ところがこの特典は、2.0%が付く場合で月15万円分、3000ポイントで頭打ちになる。そこから先は、いくら使っても上乗せは付かない。

 その一方で、買い物の額はいまのままでも、手続きさえ済ませれば特典は付く。値段が付いているのは買い物の量ではなく、口座を移すという行動のほうだ。つまり月3000ポイントで、メイン口座の地位を買っているわけだ。

 証券も同じ理屈である。月500ポイントで買おうとしているのは、メイン証券会社の座だ。クレカ積立は人気の入り口だが、積立が始まった口座は、NISAも含めた資産形成のメイン口座になりやすい。

 誰がこの特典を払うのかも、実はリリースの注記に書いてある。銀行引落特典と証券特典を出すのは、カード会社ではなく持株会社のドコモFG。預金残高に応じてdカード年会費の半額または全額相当を戻す特典と、給与受取・口座振替への還元は、ドコモSMTBネット銀行が出す。つまりこの特典は、カード事業の販促というより、グループと銀行が口座を集めるための出費とみるのが自然だ。


4.5%の構造。基本還元1.0%はdカード、上乗せ3.5%分の提供元は持株会社のドコモFGである(ドコモFGの公式発表を基に筆者作成)

 13カ月目からは、設計が少し変わる。引落特典は券面と利用額の階段になり、+2.0%を保てるのはdカードPLATINUMで月50万円以上使う場合だけ。通常のdカードでは、最大+0.25%まで下がる。


13カ月目以降の銀行引落特典。券面と月間利用額の階段になり、+2.0%を保てるのはPLATINUMで月50万円以上使う場合だけ。無印dカードは最大+0.25%にとどまる(ドコモSMTBネット銀行のリリースを基に筆者作成)

 ただしこれは切り捨てというより、カード事業の算式への回帰だ。PLATINUMには年会費があり、月50万円の利用なら、先の平均1.56%で単純計算して月7800円の手数料が入る。この規模なら月3000ポイントは決済の稼ぎで賄(まかな)える計算になる。特典を提供し続ける対象を、預金とカードをメインで利用し、採算が合う顧客に絞っていくという算段だろう。

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