ブレストで膨らむ“隠れ人件費”を削れ 矢野経済がClaudeで挑む「30分で100アイデア」創出の威力(3/4 ページ)
矢野経済研究所が、独自の一次情報と高度AI「Claude」を融合させた新規事業アイデア創出支援サービス「AIDEL」を発表した。ブレインストーミングによる役員の時間拘束や「隠れ人件費」の膨張という企業の課題に対し、30分で100の具体案と評価スコアを自動生成。一般的な生成AIの弱点であるハルシネーションを排し、根拠のあるデータで日本企業の事業開発を劇的に加速させる新ソリューションだ。
「社内の反対派」を説得する武器に AIが「5段階の評価」を付与
記者会見では具体的なアイデア事例も発表したが、そのアイデアの質も実用的だ。
例えば、個人の歩行癖、足圧分布データなどを持つスポーツ解析企業に対し「データに基づく個人向けフィッティングサービスと、買い替え時のデータを利活用した専門中古(リユース)市場を組み合わせた循環型ビジネス」を提案する事例や、独居高齢者のデータベースを活用した「会員運営サポーターが参加するコミュニティハブ型のピラティス・スタジオ」の開設などが挙げられた。提案には、具体的な事業骨子が描き出されている。
最大の特徴は、これらのアイデアに対して、市場規模や成長性、実現可能性など複数の観点からAIが5段階の「総合評価スコア」を自動付与する点にある。
この客観的なスコアの存在は、実務上の大きな武器になりそうだ。企業における新規事業の発掘は最も重要な経営課題である一方、誰かが「このアイデアは絶対にヒットする」と叫んでも、社内の反対意見に阻まれて立ち消えになるケースが後を絶たない。AIDELの評価シートは、そうした社内の反対派を説得し、事業参入の当否を冷静に検討するためのデータに基づく強力な根拠となる。
共同開発したクォンツ・リサーチの西村公佑社長は「一般のマーケットが求める株や為替の予測サービスとは全く異なる性質のものです。金融機関の方々にも、金融の周辺ビジネスで新たな領域を探るための羅針盤として活用していただきたい」と、その狙いを説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NVIDIAフアンCEO大いに語る CESで明らかにしたこととは?
米ラスベガスで開催中のCES 2025で1月7日(日本時間)、米半導体大手NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが基調講演をした。世界第2位の企業として事業拡大の可能性を強調した。
「日本なくしてNVIDIAはなかった」 フアンCEOが語った真意は?
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは都内で主催した自社イベントで「日本はこれまでテクノロジーの分野で遅れていたが、AIを活用すればリセットできる」と話した。「日本なくしてNVIDIAはなかった」と語る真意は?
NVIDIAフアンCEOが「1on1」をしない理由 “階層なき”組織運営は機能する?
半導体大手の米NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、上司と部下が1対1でミーティングをする「1on1」をしないことで知られている。世界で3万人超の従業員を率いているにもかかわらず、直属の部下であるリーダーシップ・チーム(日本で言う経営会議)は60人。その他には階層がないという。特異な組織運営をする狙いを、フアン氏が語った。
NVIDIAフアンCEOに聞く孫正義氏の「先を見通す力」 ASI実現への見解は?
米NVIDIA創業者でCEOのジェンスン・フアン氏は、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏と対談した。ITmedia ビジネスオンラインはフアン氏に、孫氏が掲げてきた人類の1万倍の知能を持つ「ASI」実現のビジョンについて見解を聞いた。
孫正義氏とNVIDIAフアンCEOが語り合った「AIの未来」 高性能AIスパコン構築へ
NVIDIA創業者でCEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏が、東京都内で開催した自社イベントで、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏と対談。フアン氏は孫氏と「ここから共に価値を作っていきましょう」と話した。
孫正義「A2Aの世界が始まる」 数年後のAIは“人が寝ている間に”何をする?
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、個人専用のAIが予定の管理や買い物などを代行する「パーソナルエージェント(PA)時代」が数年以内に到来するとの見方を明らかにした。
“孫正義流”ChatGPTの使い方とは? 「部下と議論するより面白い」
「部下と議論するより面白い」と株主総会で会場を沸かせた孫正義氏のChatGPTの使い方とは。
ChatGPT創業者が慶大生に明かした「ブレイクスルーの起こし方」
ChatGPT開発企業の米OpenAIのCEOが来日し、慶應義塾大学の学生達と対話した。いま世界に革命をもたらしているアルトマンCEOであっても、かつては昼まで寝て、あとはビデオゲームにいそしむ生活をしていた時期もあったという。そこから得た気付きが、ビジネスをする上での原動力にもなっていることとは?
