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「すし職人をAI開発の輪に入れろ」──オードリー・タンに聞く、米中AI競争で日本が勝つ道(4/5 ページ)

米中が超巨大モデルの性能を競う中、日本の遅れが指摘されている。だが戦場がクラウドから「物理世界」(フィジカルAI)へ移れば、日本の現場力が一転して強みとなる。台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タン氏は「勝つために究極のAIは不要。すし職人や漁師など現場の人間をAI開発のループに入れよ」と提言。2030年に19兆円規模に達する市場で、シリコンバレー主導のルールを破り日本が勝つための戦略を明かす。

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シリコンバレーにルールを決めさせるな 日本が担うべきリーダーシップ

――プライバシーを守りながらデジタル化を進めるには、何が大切なのでしょうか。

 ここで重要になるのが、Web3の文脈でも語られる「データポータビリティー」(移植性)の義務化です。情報のスーパーハイウェイ(高速な情報通信網)を作る際には、そこから降りるための「オフランプ」も用意しておかなければなりません。ソーシャルネットワークであっても、他のネットワークへ自由に移行できるようにする必要があります。

 自分のデータを持ち運び、新しい友人や新しい生活圏へ移れるようにしておくこと。例えば米ユタ州や欧州では、そうした移植性を義務付ける法律を整備しています。そうすれば誰も特定のプラットフォームに「ロックイン」されることはありません。

 コミュニティーのニーズやプライバシーにより良く対応するためには、シリコンバレーのビッグテック企業だけにルールを決めさせるのではなく、日本のような国がリーダーシップを担えるはずです。デジタル庁はその最先端を進むことになるでしょう。

 私が日本に行くたびに使う「Visit Japan Web」も良い例です。スマホで完結し、インターネット接続がない状態でも表示でき、私がいつアプリを開いたかを政府が追跡できないようプライバシーも守られています。

 このアプローチと同じで、最初は遅く感じるかもしれませんが、全員から「集団的知性」(コレクティブ・インテリジェンス)を集めることができれば、ある時点で指数関数的に伸びる時が必ず来ると思います。

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