「どこを冷やすか」が変わる 熱中症対策に新発想 全身を水で冷やす「アイスバス」が登場(2/2 ページ)
熱中症対策グッズが進化している。猛暑対策展では、全身を冷やすアイスバスや前腕を冷却する装置など、深部体温を下げることに着目した新製品が登場。従来とは異なる冷却法の広がりを追った。
屋外作業向けに「腕を冷やす冷却グッズ」も
屋外作業者に向けた最新の熱中症対策グッズでは、「前腕を冷やす」アプローチを採用した「前腕冷却クールステーション」(価格は要問い合わせ)が注目されていた。氷に頼らずに電気で水温を一定に保つのが特徴で、冷却槽は成人男性が3人並んで腕を冷却できるサイズ感だ。
複数人での使用を前提とすることから、オゾン殺菌機能を備えている。さらに、排水口のヘアキャッチャーと本体内部のフィルターでゴミを捕えており、水の清潔さを維持しやすいという。
販売するのは、水槽用クーラーメーカーのゼンスイ(大阪府摂津市)。自社の強みである“水の冷却技術”を生かし、今年新たに熱中症対策グッズとして発売したのが同製品だ。特許を出願中で、担当者は「市場には類似製品がない」と説明した。
上述したとおり、熱中症対策では、深部体温を迅速に下げることが重要だと言われる。なぜ前腕なのか。
「前腕には体温調節に関わる血管が多く通っており、ここを冷水で冷やすと、体にこもった熱を効率よく放出することが期待できます。屋外作業の休憩時に5〜10分ほど前腕を冷やすと、熱中症の予防につながります」(ゼンスイ 担当者)
担当者によれば、水は2〜3日に1回、フィルターは約1カ月に1回の交換を推奨しているという。また同社のWebサイトでは、1日8時間使用した場合のランニングコストは、電気代、水道代、フィルター代を含めて約550円(1日当たり)という。
同製品の反響は上々で、導入企業では、現場で働く従業員から喜ばれているとのこと。「今日も1台購入が決まりました」と担当者は話した。本格的な冷却装置だけに、導入のハードルはやや高いかもしれないが、屋外作業における熱中症予防に効果を発揮しそうだ。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。エンタメ業界で約10年の勤務後、2016年にフリーライターへ転身。主に「経済(消費トレンド等)」「国内外のイノベーション」「社会課題」を扱う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。海外文化にも興味が強く、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。2022年3月からは東京拠点。現在の担当媒体は、「ITmedia ビジネスオンライン」「文春オンライン」「ビジネス+IT」など。
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