軽EV「ラッコ」は日本で売れるのか BYDが抱える、中国メーカーならではの課題:高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)
BYDの軽EV「ラッコ」がいよいよ発売された。装備や価格でも国産の軽EVと勝負できる製品に仕上がっているが、品質には不安が残る。品質の高さを求めるユーザーが多い日本市場で定着できるだろうか。
日本市場では圧倒的な信頼性が重要
輸入車販売老舗のヤナセがBYDの販売とサービスに乗り出したことは、サービス面や品質面での安心感につながるだろう。しかしヤナセ全店で扱うのではなく、100%出資の子会社が展開する拠点(現在は2カ所)のみで販売とサービスを実施する。つまり、全国のヤナセディーラーが対応するわけではない。
かつて、ヤナセはキャデラックを輸入販売した際、日本向け製品を独立したラインで生産させ、高い品質を維持していた。それだけヤナセの求めるクオリティー、日本のユーザーが認める品質へのハードルは高いのだ。
同じようにBYD Auto Japan側が、日本向けに品質を重視するよう要求したとしても、中国には独自の考え方があるので、それが受け入れられるかは分からない。
保証を長く付ければいい、壊れたら無償修理で対応すればいい。その考え方は中国国内では通用しても、欧米、ましてや日本市場ではユーザー離れにつながる。
中国では「自分のクルマは大丈夫」と考えるユーザーが比較的多いようで、いざ壊れるとSNSなどで不満を投稿するケースもある。日本ではそうした投稿を見て購入を見送る人が多い一方、中国では必ずしもそうではないようだ。慎重なユーザーが多い日本とは傾向が異なる。
日本車は特別保証(パワートレインなどの重要な部品に与えられる長期保証)が切れても壊れないのが普通であり、保証期間内に故障する確率は低い。しかも、故障しても修理できる体制や環境が整っている。だから日本のユーザーは安心してそのクルマを購入し、乗り回しているのだ。
中国では「壊れても保証で直せばよい」という考え方がある一方、日本では「保証期間内はほとんど故障しない(もちろん例外もある)」という前提があり、製品保証に対する捉え方も異なる。
だからこそ、日本のユーザーの厳しい要求に応えてきた日本車は独自の進化を遂げ、世界中で支持されてきたのである。
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