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「バス運転手は稼げない」は過去の話? ウィラーが年収600万円を実現した理由(3/5 ページ)

「きつい・稼げない」と見られがちなバス運転手。ウィラーエクスプレスは年収600万円超の待遇や若手育成で、職業イメージの転換に挑んでいる。

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なぜ、それだけの待遇を払うのか

 これだけの待遇を実現している背景には、安全運転と接客の両面で高いサービス水準を求めていることがある。その水準を実現するのは、必ずしも経験者ではない。「長年のやり方が染みつき、自分を一介の運転手と捉える意識では、高い水準になじみにくい。経験者が入ってきても続かない」と平山社長は説明する。

 そこで力を入れるのが、未経験の若手をゼロから育てることだ。目指すのは、バスを運転するだけではなく、安全と接客の両面で高い品質を提供できる「ハイウェイパイロット」の育成だ。2024年に自社研修施設「WILLER LABO」を開設し、約3カ月の泊まり込み研修で、運転技術に加え、会社の理念やサービスの意味を座学で学ぶ。

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座学研修の様子

 営業所での実務研修を含めると、育成期間は約半年に及ぶ。同期と寝食を共にする共同生活で、連帯感も育てる。大型二種免許の取得費用(約50万円)も会社が全額負担する。

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LABOの施設全体

 しかし、これだけ人件費を引き上げても、経営を圧迫しないのか。平山社長は「バス業界の運賃は、もともと安すぎた」とみる。近年は推し活ブームも追い風となり、安さよりも質を重視してリピートする乗客が増え、需要は底堅い。

 格安便も多い高速バス業界で、ウィラーエクスプレスは快適性を高めた座席「Prime」「DOME」などを投入し、量より質を重視する客層を取り込んできた。リピーターの増加が収益を押し上げ、2025年度には過去最高益を更新。磨き上げたサービスが、高い待遇を支える原資を生み出している。この好循環が、賃上げを支えている。

 2025年度は大阪・関西万博の開催とインバウンド需要が重なり、大阪発着の夜行便では、一時2万円近くまで単価が上昇するなど、特需もあった。万博後の2026年は、運賃水準も当初見込んでいた適正な水準に落ち着いたが、反動で業績が崩れることもなく、事業は計画どおり堅調に推移している。

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