「スーパー化」が進むドラッグストア 食品を強化してウエルシアはどうなった?(4/4 ページ)
近年、ドラッグストアの「スーパー化」が加速している。生鮮や総菜・弁当、日配食品、冷凍食品などを強化することで、売上増につなげたい狙いがあるようだ。ウェルシアでは、現在35店舗を「食品強化型店舗」に改装済で、客数や売上高が増加しているという。取材したところ……。
食品を強化してどうなった?
「現状のざっくりとした数値にはなりますが、食品強化型店舗では客数が10〜15%、食品売上が約20%増加しています。また、食品以外の医薬品・化粧品・ヘルスケアのカテゴリー全体でも約7%の売上増が見られ、店舗全体として約10%の売上向上効果が確認されています」
客数が増加した背景には、新規顧客の来店や既存客の来店頻度の向上が予想されるという。スーパー代わりに通ったり、処方せんの薬の受け取りのついでに食品を購入したり、さまざまな利用シーンが考えられるそうだ。
現状の売れ筋は、弁当や総菜、バナナなどの果物、ワンプレート冷食だという。中食と呼ばれる、調理せずにそのまま食べられる食品が支持されている。
「弁当や総菜は、同じモノばかりだと飽きられてしまうので、お客さまの反応を見ながら新しいメニューに入れ替えるなど、都度見直しを図っています」
好調な一方で、食品の管理は課題となっている。生鮮や弁当・総菜の鮮度管理や品出しは、賞味期限の長い加工食品よりも現場の手間がかかる。魅力ある売り場づくりのために鮮度管理は欠かせないが、生鮮・畜産など分野ごとに担当者を配置するスーパーとは異なり、ウエルシアでは同じ従業員が売り場全体を担う。アルバイトやパートの従業員も多いなかで、効率的に管理するための仕組み化を図っているそうだ。
近年は、中食需要の増加からスーパー各社も弁当・総菜、冷凍食品などを積極的に強化している。薬局での買い物をするついでに手軽な価格で食品も購入できれば、消費者にとって利便性は高いが、スーパーから顧客を奪うのは容易ではないかもしれない。引き続き、ドラッグストア各社の試行錯誤は続きそうだ。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。エンタメ業界で約10年の勤務後、2016年にフリーライターへ転身。主に「経済(消費トレンド等)」「国内外のイノベーション」「社会課題」を扱う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。海外文化にも興味が強く、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。2022年3月からは東京拠点。現在の担当媒体は、「ITmedia ビジネスオンライン」「文春オンライン」「ビジネス+IT」「東洋経済オンライン」など。
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