ドトールVS.コメダ なぜ好調? 店舗数だけでは分からない「強さ」の違い:数字で見る「企業の現在地」(5/6 ページ)
ドトールコーヒーショップとコメダ珈琲店が激しい競争を繰り広げている。店舗数でドトールの背中を捉えたコメダ。両者の決算や歴史を振り返りながら、今後の動向を見ていきたい。
「喫茶店王国」名古屋で磨いたコメダの強み
コメダ珈琲店の1号店が名古屋市にオープンしたのは1968年。創業者の加藤太郎氏は、実家が米穀店だったことにちなみ、「コメ屋の太郎」から「コメダ」と名付けたという。
名物商品のシロノワールは、9年後の1977年に販売を開始している。
創業当初から同社は“名古屋ローカル”に徹し、店舗を拡大していった。首都圏に比べると人口規模は少ないため、ターゲットを絞り込まず幅広い年齢層とリピーターの呼び込みを意識した店舗づくりを心がけた。
名古屋は「喫茶代」の1世帯当たり年間支出金額が1万6431円で、全国1位を誇る。全国平均(1万261円)の1.6倍となっており、喫茶店文化が根付く(統計局 2023〜25年平均)。そんな土地柄にコメダは集中的に出店し、「くつろぎ」というコンセプトを磨いてきた。
コメダが中京圏でローカルチェーンとして成長できた背景には、他の有力コーヒーチェーンが本格進出するまでに「タイムラグ」があったことが挙げられる。こう指摘するのは、経営史が専門の松原日出人・中京大学准教授だ。
チェーン店は市場シェアや優位性を獲得するために、特定エリアに集中出店する「ドミナント戦略」を採る。そのため、ドトールコーヒーショップもスターバックス(1996年日本1号店開業)も、1990年代の出店エリアは関東がメインだった。
松原氏は「そのタイムラグの間に他エリアでは異なるローカルチェーンの発展の途があり得た」とし、コメダ珈琲店が伸長した一因とみる(「日本の喫茶店およびカフェ市場の展開と主要企業の戦略(2)」)。
コメダ珈琲店が中京圏以外に出店したのは、2003年の関東エリアが初めて。その後、関西、北陸、四国、中国、九州と各エリアに順次進出し、2019年に青森県に出店し、47都道府県への出店を実現した。
「喫茶店王国」と称される名古屋で磨き続けてきたフルサービス方式を強みに、他エリアでも着実に支持を広げ、2023年にグループ1000店舗に突破した。
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