なぜドンキは外国人客だらけ? 名所より「スーパー」、世界で広がる新たな観光:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が外国人旅行客でにぎわっているが、このような現象は世界的なトレンドだ。現地のスーパーなどで“異国の日常”を体験したいという旅行者が増えた。何げなく触れている商品が、観光の重要な要素になっている。
世界を読み解くニュース・サロン:
本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
最近、近所の「ドン・キホーテ」に立ち寄ったら、客であふれかえっていた。今更ながら、手に入らないものはないと言ってもいいほどの品ぞろえだ。日用品から食品、家電、コスメ、菓子、旅行用品、キャラクター雑貨まで、あらゆる商品が天井近くまで積み上げられた棚に圧倒された。だが、それ以上に驚いたのが、外国人客の多さだった。
明らかにインバウンド客の存在感が大きい。通路のあちこちで異国語が飛び交う。もはや近所のディスカウントストアというより、観光地の一つと言ったほうがいいくらいだ。
実際、数字を見ても、それは明らかだ。ドンキを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(HD)の2026年6月期の免税売上高は2286億円で、過去最高を記録。前年比で31.2%増加している。同HDが算出した、訪日客のうち、ドンキを訪れた人の割合は29.1%に達した。
実はこの現象、日本のドンキに限った話ではない。海外の量販店やスーパーマーケットを観光目的で訪れる行動は、世界的なトレンドになりつつある。
世界的なホテルチェーンのヒルトンが、14カ国の1万4000人以上の旅行者を対象に実施した調査をまとめた「2026年のトレンドレポート」によれば、世界の旅行者の77%が「グロサリーストア・ツーリズム(grocery store tourism)」を楽しんでいるという。旅先で現地のスーパーの棚を眺め、ローカルな食を試すことが、いまや旅行体験の中核の一つになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
世界では大人気なのに……日本のバイク市場はなぜ過去最低なのか
日本のバイクメーカーや日本人ライダーが世界で活躍しているが、国内バイク市場は縮小傾向にある。海外メーカーと価格で勝負するのではなく、バイクを「文化」として盛り上げる設計が必要ではないか。
家電売り場はなぜ“中国化”したのか 静かに進んだ日本メーカーの撤退劇
家電量販店では、中国製品が存在感を強めている。日本企業による家電事業の売却が進んだことなどが背景にある。一方、これは日本のものづくりの敗北を意味するわけではないだろう。
日本発の「夢の電池」はどうなったのか 動き出した再生計画
次世代リチウムイオン電池として注目された「全樹脂電池」。開発していた企業は、混乱の末に破産したが、実はプロジェクトはまだ途絶えていない。日本の開発者たちの熱意で、「夢の電池」の量産化は実現できるのか。
日本人の給与は依然として安すぎる? 頭脳流出で国の未来は、本当に大丈夫か
賃上げが経済政策として進められているが、世界の先進国と比べると日本の給料は安い。特にエンジニアなどの高度人材では差が大きく、海外企業から「安い労働力」を求められる事態だ。人材の流出を止めるため、“安すぎる”状態から脱する必要がある。
BYDの“軽”が日本に上陸 エコカー補助金の陰に潜む“監視リスク”
中国のEVメーカー、BYDが日本の軽自動車市場に参入すると発表した。中国製のEVを巡っては、欧米でセキュリティの懸念が指摘されている。多くの情報を収集するEVは、スパイ活動にも活用できると見られており、日本でも警戒が必要だ。

