本が売れないなら「全ページ無料で読ませる」 元新潮社の編集者がU-NEXTで模索する、新たな稼ぎ方(1/4 ページ)
U-NEXTは8月5日、全作品を無料で読めるWeb文芸誌「文学茶釜(何が出るかな)」を創刊した。純文学を中心に、短歌やエッセイ、動画など幅広いコンテンツを掲載する。出版不況が続く中、なぜ「無料」の文芸誌を立ち上げたのか。
動画配信サービスを手掛けるU-NEXTは8月5日、全作品を無料で読めるWeb文芸誌「文学茶釜(何が出るかな)」(以下、文学茶釜)を創刊した。純文学を中心に、短歌やエッセイ、動画・音声コンテンツなどを掲載する。
動画配信のイメージが強いU-NEXTだが、同社は133万冊以上の漫画や書籍も配信している。2020年8月にはオリジナル書籍の配信も開始し、これまで40作品以上を発表してきた。オリジナル書籍はU-NEXTの月額会員向け「読み放題」コーナーで提供するほか、配信から1〜3カ月をめどに他の電子書籍プラットフォームでも展開している。一部の作品は紙の書籍として刊行し、書店でも販売している。
こうした出版事業を手掛ける中で、新たに立ち上げたのが文学茶釜だ。8月は芥川賞受賞作家の九段理江氏、市川沙央氏、滝口悠生氏、金原ひとみ氏らの小説や、ミュージシャンの小袋成彬氏によるエッセイなどを掲載している。短編小説のほか、連載小説やエッセイ、動画など、さまざまな形式の作品を楽しめる。
通常の電子書籍はスマートフォン上で本のようにページをめくりながら読む、縦書きの形式が多い。一方、文学茶釜では横書きとし、画面を縦にスクロールしながら読める。ユーザーが普段から慣れ親しんでいる、経済メディアなどのWebサイトに近い体裁にしたという。
スマホでInstagramやXといったSNSをスクロールしながら見るのと同じように、日常生活の中で自然に小説にアクセスできるようにする。作品ごとに読者が感想をコメントできる機能も備えた。
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