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本が売れないなら「全ページ無料で読ませる」 元新潮社の編集者がU-NEXTで模索する、新たな稼ぎ方(2/4 ページ)
U-NEXTは8月5日、全作品を無料で読めるWeb文芸誌「文学茶釜(何が出るかな)」を創刊した。純文学を中心に、短歌やエッセイ、動画など幅広いコンテンツを掲載する。出版不況が続く中、なぜ「無料」の文芸誌を立ち上げたのか。
紙の文芸誌からWebへ 元新潮社の編集者が立ち上げ
文学茶釜の立ち上げをリードするのは、新潮社で文芸誌『新潮』や新潮文庫の編集に約10年携わり、2025年にU-NEXTへ入社した編集者の鶴我百子氏だ。
U-NEXTのオリジナル書籍では、約100分で読み切れる中編小説を990円で販売するレーベル「100 min. NOVELLA」(ハンドレッド ミニッツ ノヴェラ)を展開している。海外のペーパーバックのような装丁で、年に4回刊行している。
一方、同レーベルは書き下ろしが基本で、作家にとって負担の大きい仕事でもある。作家との関係を深めながら、将来的に長編小説といった大きな作品につなげていくには「雑誌」が必要だと考えた。
鶴我氏は「990円のペーパーバックシリーズは、U-NEXTのブランドとしてはうまく育ってきているのですが、利益率が高いかと言われるとそうでもありません。事業としてしっかり稼ぐための部門がもう1つ必要だったんです」と説明する。書店からも「高い本を出してほしい」という要望が寄せられていた。
鶴我氏は新潮社時代から、紙の雑誌は印刷などの金銭的なコストに加え、制作に携わる人員のコストも大きいと感じていたという。また、紙の雑誌は基本的に書店に並んでいる間しか読者との接点を持てない。そこでより長く、広く作品を届けられるWebで文芸誌を刊行することにした。
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