「下積み20年やれと?」──生成AI活用、若手が投げかけた問い 社長の答えは?:三菱マテリアルITソリューションズ 板野則弘社長が語る(2/2 ページ)
「今から僕たち若者に、下積みを10年20年やれっていうことですか」──三菱マテリアルITソリューションズ社長の板野則弘氏は、年次の浅い社員からこう問いかけられたという。AI活用が“当たり前”の若手世代。人材育成について、企業がどのように考えるべきなのか。
トップダウンにもボトムアップにも仕掛けが必要
DXを進めるには、トップダウンとボトムアップの双方が必要になる。
トップダウンで重要なのは、現場の当事者意識だと板野氏は話す。最初は専門チームが企画しても、最終的に仕組みを使うのは現場の社員になる。自分たちの仕事として捉えられる状態を、どう作るかが問われるという。
ボトムアップでは、意欲のある社員を放置しないことが重要になる。板野氏は、予算、学習環境、専門家による伴走、活動できる環境──の4つを用意する考え方を示す。
さらに、工場長や事業部長が取り組みの意義を周囲に伝え、本人が孤立しないようにする。社内外のコミュニティーで同じ価値観を持つ人とつながれる環境も必要になる。
ボトムアップは現場任せではなく、現場が動ける環境をマネジメント層が作ることで、意欲が成果につながると板野氏は指摘する。
日本の強みは人材の「平均値の高さ」 どう生かすか
板野氏が日本の強みとして挙げるのが、人材の「平均値の高さ」だ。
高い能力を持つ人材が集まっていることに加え、デジタル化によって見えるものを増やし、一人一人が気付き、考え、行動できる環境を作る。これが日本のDXにおける一つの方向性になるという。
そのためには「自分で考える」という時間が必要になる。スキルやモチベーションだけでなく、集中して考える時間を確保する。経営者や上司がその時間を作り、社員自身もスマートフォンなどから離れて考える時間を持つ必要があるという。
「日本を知ること」の重要性にも触れる。海外を知ることで日本の特徴が見えてくる。日本企業ではIT人材の約7割がITベンダーやコンサルティング会社など外部パートナー側にいるため、事業会社と外部パートナーが発注者と受注者の関係を越え、ともに課題に取り組むことも欠かせないと板野氏は指摘して、講演を結んだ。
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