セブン、ファミマ、ローソンは「メディア」になれるのか 店舗と購買データを生かす広告ビジネスの実態(3/4 ページ)
コンビニ大手3社が、店舗を「売る場所」だけでなく「広告を届ける場所」として活用し始めている。背景にあるのは全国に広げられた店舗網と、日々蓄積される膨大な顧客データだ。3社の取り組みについて探る。
先行するファミマ 広告関連売上400億円を目指す
コンビニ業界で先行しているのがファミマだ。2030年度に広告関連売り上げ400億円を目指している。
デジタルサイネージ「ファミマTV」は2021年9月から導入し、現在、全国1万1580店舗に設置している。1日当たり1500万人以上が訪れるメディアに成長しているという。
放映枠の約7割を広告枠として活用しており、新商品やキャンペーン情報を発信している。2025年度の売り上げは2021年度比で約70倍に拡大した。保険や金融、自動車といった店頭では扱っていない商品・サービスの広告やマーケティング支援も手掛けている。
広告以外の枠では、ニュースや天気予報といった生活情報、芸能人やアーティストが出演するオリジナル番組などを配信している。伊藤忠グループで、メディア事業を手掛けるゲート・ワン(東京都港区)によると、テレビではリーチしづらいと言われているZ世代、α世代で特に認知が広がっているという。
ファミマも、同社が持つデータ基盤を生かす。決済機能を備えたアプリ「ファミペイ」の累計ダウンロード数は3000万を超えた。
伊藤忠グループで、デジタルマーケティング支援を手掛けるデータ・ワン(東京都千代田区)が持つ、ドラッグストアやスーパーなどの購買データも集積する。同社は6000万以上のIDにひも付く購買データを扱っており、同データがカバーする年間流通総額は10兆円以上だ。
これにより、コンビニだけでは分からない消費者の行動も分析できる。例えば、平日朝にコンビニでエナジードリンクを買う人が、休日にはドラッグストアで高級入浴剤を購入している、といった業態をまたいだ購買行動を捉えられる。
広告主にとっては、こうしたデータを使ってターゲットを絞り込み、サイネージやデジタル広告、店頭施策などを組み合わせた販促が可能になる。
8月31日には、ファミマの親会社である伊藤忠商事、伊藤忠テクノソリューションズ、電通グループ、電通総研の4社がITサービスとリテールメディア領域で戦略的提携を発表した。データ・ワンとゲート・ワンは電通と業務提携し、購買データを生かしたリテールメディア事業を強化する。
同日に実施された記者説明会で、伊藤忠商事の細見研介常務執行役員は「ここ5年ほどファミリーマートを中心にリテールメディアを展開してきた。売り上げは想定以上に推移しており、非常に大きな成長の可能性を感じている。日本ナンバーワンの実績と展開力を持つ電通を『先生』とし、われわれは『出来の悪い生徒』としてしっかり教えていただきたい」と話した。
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