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くら寿司「ちいかわ騒動」の深層、過去にはセブンも…… ランダム景品の収益力と課題(1/2 ページ)

くら寿司の「ちいかわ」コラボ中止劇は、一部の不正行為に留まらず、10円課金化で“有償コンテンツ”に変質した「ビッくらポン!」の構造的課題を浮き彫りにした。企業の信頼回復にはシステムの公正性と再定義が不可欠だ。

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著者紹介:城戸譲

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1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ニュース配信会社ジェイ・キャストへ入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長、収益担当の部長職などを歴任し、2022年秋に独立。現在は「ネットメディア研究家」「炎上ウォッチャー」として、フリーランスでコラムなどを執筆。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。


 くら寿司の「ちいかわ」コラボをめぐり、騒動が起きている。8月21日から始まったキャンペーンでは、皿を回収ポケットに入れて挑戦するゲーム「ビッくらポン!」の景品として、フィギュア5種、缶バッジ8種、アクリルマグネット8種が用意されていた。


くら寿司、「ちいかわ」コラボが騒動に(出所:公式Webサイト)

 しかし、この企画に対して疑惑の声が上がった。9月1日配信の弁護士ドットコムニュースの記事では、くら寿司で約1万8000円分を食べ、景品を17個獲得したにもかかわらず、目当てのフィギュアが1つも出なかったというSNS投稿が紹介された。

 SNS上では、従業員が景品を抜いているのではないかと疑う声も上がっている。これを受け、くら寿司は9月2日、公式Webサイトにて不適切な取り扱いを指摘する投稿について事実関係を調査していると発表。景品は原則として鍵付き倉庫で保管し、複数人で開封・補充するなどの管理方法も説明した。不適切な行為が判明した場合は、法的措置も含めて対応するとした。

 そして9月5日、同社は従業員による不正行為が判明したとの調査結果を公表した。この発表に合わせて、翌日の営業からちいかわコラボキャンペーンを中止するとした。


従業員の不正行為が判明したと発表(出所:プレスリリース)

 今回の不正発覚は、消費者が感じた違和感をSNS上で指摘したことがきっかけだ。その背景には、「ビッくらポン!」という仕組みが持つ2つの魅力が関係している。

 1つは「当たるかもしれないという体験そのものを楽しむこと」、もう1つは「欲しい景品を手に入れること」だ。今回1万8000円分を利用したユーザーは、前者の体験は得られたものの、後者の期待が満たされなかったために強い不満を抱いたのだろう。

 店舗側が提示する「あたり(景品全般)」と、客が期待する「あたり(目当ての景品)」にはギャップが存在する。このズレが「そもそも目当ての景品が間引かれているのではないか」という疑念を生み、一連の騒動へと発展したと考えられる。

「一部の暴走」が企業全体のイメージに影響

 景品の抜き取りを疑われる背景には、他社での前例が存在する。セブン-イレブン・ジャパンは7月、一部店舗で関係者による買い占めや転売、特定の顧客への優先販売などの不適切行為が行われていたとして、加盟店へ警告文を出した。

 相次ぐSNS上の指摘を受けて本部が調査したところ、販売前の取り置きや転売の事実が判明し、中には加盟店契約の解除にまで至ったケースもあったとされる。

 どれほど本部が管理を強化しても、一部の店舗が独自判断で不正に手を染めれば、企業全体のブランドが失墜してしまう。セブンもくら寿司も組織ぐるみの不正ではないはずだ。しかし、一部の行いによって「企業全体の体質」だと見なされてしまうのが、フランチャイズや多店舗展開の厳しさである。

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