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JALが「顔パス搭乗」で挑むCX革命 パスポートもスマホも出さない「立ち止まらない旅」(3/4 ページ)

JALと東京国際空港ターミナルは、国際線の乗り継ぎを含むトランジット領域で、世界初となる顔認証「ウォークスルー体験」の実証に成功した。技術の核心は、顧客の超機微データを自社や巨大ITに集中させず顧客のスマホに保持させる「デジタルアイデンティティ」(データ主権)だ。2037年「旅客2倍」に伴う空港の容量限界と人手不足を打破し、航空券から「旅全体のパス」への進化を目指すJALの次世代CX戦略に迫る。

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JALの危機感 2037年「旅客2倍」の壁と人手不足

 JALがここまで先んじて次世代技術の開発と標準化を急ぐ背景には、単なる利便性の追求を超えた「深刻な課題」がある。

 IATAの予測によれば、2037年までに世界の航空旅客数は、現在の「2倍」に膨れ上がると試算されている。だが、航空需要が倍増するからといって、空港の敷地面積を2倍に拡張することは物理的に不可能だ。さらに大きな課題として、航空業界全体を直撃している深刻な人手不足もある。チェックインカウンターのグランドスタッフや、ランプサイド(駐機場)のグランドハンドリング業務など、現場を支える人材は減少の一途をたどっている状況だ。

 この「スペースの限界」と「人手不足」という二重のボトルネックを打破する解決策が、係員の手を全く介さない「ウォークスルー空港」の実現にある。

 杉原氏は「このままでは空港のインフラ機能そのものに支障が出るおそれがある」と危惧する。

 「数年後には、空港の現場における人手不足は、現在の比ではないほど深刻化します。限られた空港スペースの中で2倍のお客さまを破綻なくお迎えするためには、手続きを自宅で完了させて、現場では一切立ち止まらずに通れるインフラが絶対に必要です。係員を介さない手ぶら搭乗を標準化することで、人手不足をカバーしつつ空港の収容能力を限界まで引き上げる。ウォークスルー空港は、省人化とCX向上を両立する最適解なのです」

 この「現場を人の手から解放する」インフラ改革は、単に空港内の混雑解消にとどまらない。これを契機として、JALは旅全体のCX向上について、さらに壮大な構想を描いている。

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JALは旅全体のCX向上について壮大な構想を描いている

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