ツインバードとバルミューダ、なぜ伸び悩む? 「高くても売れる」家電の難しさ(6/7 ページ)
コロナ禍で需要を取り込み、成長への期待を集めたバルミューダとツインバード。なぜ、その勢いは続かなかったのか。高付加価値化や新規事業、海外展開の現在地から、再成長への課題を探ります。
「身の丈に合う経営」は挑戦を諦めることではない
両社の歩みは、高級路線や独自ブランドで成長を目指す際に、自社の能力と投資の範囲を見極める重要性を示しています。「良いものを高く売る」という方向性が正しくても、それだけで事業が成立するわけではありません。
ツインバードでは、素早い商品化を支えてきた仕組みと、高付加価値商品を育てる仕組みを両立する難しさがありました。バルミューダでは、家電で得た支持を、異なる能力が求められるスマホ市場へ広げようとしました。経緯は違いますが、挑戦の大きさに、それを支える人材や資金、販売体制が見合っていたかという問いは共通します。
これは、会社が小さいから挑戦すべきではないという話ではありません。「身の丈」とは、挑戦の大きさそのものではなく、それを支え続けられる経営資源とのバランスだと考えます。人材や技術、販路をそろえるだけでなく、それらを連携させ、開発から販売、資金回収までを一つの仕組みとして機能させることが必要です。
特に、高付加価値商品は完成して終わりではありません。誰がその違いにお金を払うのか、どこで買ってもらうのか、どう価値を伝えるのかまで考える必要があります。製品の性能を高めても、狙った顧客に届かず、その価値が伝わらなければ、価格だけで比較されてしまいます。
だからこそ、販売戦略やマーケティングも不可欠です。出来上がった商品を宣伝するためだけの仕事ではありません。開発段階から顧客と売り方を想定し、発売後に得た反応を次の商品へ返す。その一連の活動に人と資金を配分する必要があります。研究開発や生産設備への投資だけでは、高付加価値化を支える仕組みは完成しません。
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