「○○さんに聞けば分かる」をAIに 日立建機がベテランの知恵を共有したワケ:AIエージェント組織実装の最適解(3/8 ページ)
日立建機は、ベテラン社員の経験や判断基準をAIに組み込み、過去の問い合わせ事例を検索・分析する仕組みを構築した。若手の対応時間を半減させるだけでなく、世代を超えた技術伝承にもつなげている。
ベテランの頭のなかにしかない知見を「型」にする
負担の大きかったFIR業務に対して、テクニカルサポート部はAIアシスタントの導入に踏み切ります。
FIRシステムには大量のデータが蓄積されていますが、過去の適切な対応事例を探し出し、有効活用するには時間と経験が必要でした。その解決のために作ったのが、「FIR要約&翻訳アシスタント」「FIR検索アシスタント」「FIR回答ドラフトアシスタント」と呼ばれる3つのチャットボットです。具体的な機能は図の通りです(図)。
テクニカルサポート部の齋藤信也氏が、アシスタント設計の軸に据えたのは、「ベテラン社員の業務ノウハウを、いかに生成AIに落とし込むか」という視点でした。
従来のキーワード検索では、検索ワードにヒットした過去事例が、ズラリと並ぶだけでした。そこから「どれが本当に関連するのか」「この事例は何を意味するのか」を読み解くには、ベテランの経験を要します。
対してFIR検索アシスタントは、「この事例とあの事例は機種は違うが、同じ原因の可能性がある」「この症状なら、まずここを疑うべき」といったベテランならではの読み解き方を、あらかじめAIに教え込んでおきます。
すると、AIは単に事例を並べるのではなく、ベテランの視点を通して整理した「解釈済みの情報」を示してくれます。経験の浅い若手でも、ベテランが読み解いたのと近いかたちで、過去事例の意味を受け取ることができるのです。
齋藤氏はこれを「世界中のサービス員が埋め込んでくれているノウハウを一瞬で引き出して活用できる体験」と表現します。
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