インタビュー
「○○さんに聞けば分かる」をAIに 日立建機がベテランの知恵を共有したワケ:AIエージェント組織実装の最適解(5/8 ページ)
日立建機は、ベテラン社員の経験や判断基準をAIに組み込み、過去の問い合わせ事例を検索・分析する仕組みを構築した。若手の対応時間を半減させるだけでなく、世代を超えた技術伝承にもつなげている。
若手とベテランの働き方が同時に変わった!
日立建機のAI活用の成果は、数字に如実に表れています。
若手社員の場合、過去事例の検索・分析時間は20〜60分から10〜30分へ、1件あたりの総対応時間も1〜4時間から0.5〜2時間へと半分の時間で完了できるようになりました。仮に、この業務改革が部署全体に浸透すれば、月間400時間以上の工数削減が達成できる計算になります。
数字のみならず、定性的な品質の面でも効果が出ています。齋藤氏たちは過去のFIR問い合わせ案件のデータをもとに、AIアシスタントを使った場合と従来の対応とで、回答の質がどう変わるかを比較検証してみました。すると、約7割の問い合わせ対応で「品質向上が見込める」という結果が出たのです。
例えば、「エンジンのアイドリング時に異音がする」という問い合わせに対しては、「インジェクターを点検したほうがいい」「フィルターを点検したほうがいい」といった点検箇所のアドバイスを回答してくれます。AIアシスタントを使うと、こうした点検項目を漏れなく挙げてくれるだけでなく、一つひとつの回答の精度も向上しました。
これまで回答の質は、担当者がどれだけ過去事例を知っているか、つまり、個人の経験量に左右されていました。その点、膨大な過去事例の知見をAIが網羅的に収集・整理してくれれば、若手でもベテランと同じように必要な事例にアクセスできます。
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