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ふるさと納税寄付額日本一の泉佐野市、稼いだ“外貨”を何に使った? 「ないなら、作ろう」で起きた変化:地域経済の底力(2/4 ページ)

ふるさと納税3.0で多くの寄付金を集めている大阪・泉佐野市。複数の企業を呼び込むことに成功した以外にも、思わぬ効果があった。

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職員を信頼する声は多い

 職員を評価する声は市内の事業者からも聞こえてくる。「泉州元気ハラミ」を中心とした焼肉食材を返礼品として提供するアキラ商店もその一社だ。コロナ禍でグループ会社が運営する焼肉店が休業を余儀なくされた際、アキラ商店は店舗スペースでふるさと納税関連の作業をしていた。しかし、焼肉店の営業が再開すると作業場所がなくなってしまったのである。

 そこで泉佐野市の職員から提案されたのが、ふるさと納税3.0だった。その仕組みを活用し、急速冷却・急速凍結設備を導入した新社屋の設立を目指したのである。


泉佐野市のアキラ商店もふるさと納税3.0を活用(出典:同社ホームページ)

 2021年10月から始まったCFは、約1億3900万円の目標金額に対し、3億7500万円以上の寄付を集めた。成功の要因についてアキラ商店の松葉口昌二社長は「泉佐野市の情報発信力のおかげです。機械化によって、肉の冷凍から発送まで48時間かかっていたのが、12時間に短縮されました」と喜ぶ。その後も、複数のプロジェクトを立ち上げ、着実に成果を上げている。

 泉佐野市の担当者によれば、あらゆる事業者に対して、プロジェクトの立ち上げ前から日々コミュニケーションを取り、伴走しているそうだ。当初は単年度で終了予定だったものでも、2〜3年まで延ばすなどして、寄付が集まりにくいプロジェクトも粘り強くフォローしている。かつては「ハードルが高い」と言っていた地元のタオル事業者や農家もCFに参加するようになり、今では毎年6社ほどが応募しているという。

 泉佐野市の千代松大耕市長も職員に全幅の信頼を置いている。

 「(ふるさと納税3.0の仕組みには)全く口出ししませんでしたね。きちんと制度内でできているかは確認しますが、具体的に何をしていくかは職員に任せています」

 一方で、受け入れ額の数字は毎日チェックしている。

 「最初は1週間に1度でしたが、7年ほど前、年末に寄付が集中する時期に数字を聞くようになってから毎日になりました。金額を毎日見ていれば、1年間の寄付の流れが分かります。それが私の元気にもつながっているんです」と話す。自治体でありながら、まるで企業経営のような組織となっている。

 泉佐野市のふるさと納税3.0による寄付額は、2020年度の5億5000万円から、2024年度には64億1000万円へと急拡大した。千代松市長はその理由を「好循環」だと説明する。

 「実績が積み重なると、さまざまな事業者が魅力あるプロジェクトを立ち上げてくれるようになります。それによって返礼品が充実し、多くの寄付が集まり、さらに携わる事業者が増えていく。そういった良い循環が生まれているんです」

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