次の“クルマのブーム”は何か 時代のニーズを捉え続けるために必要なこととは:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
RVブームやミニバンブームなど、これまでにさまざまなクルマのブームが巻き起こってきた。今後は、どのような要素が求められるのか。1車種で多くのユーザーをカバーするよりも、個人の好みやニーズを細かく捉える必要がありそうだ。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
クルマは移動手段として実用的なだけでなく、趣味や娯楽のために使われ、日本経済を循環させる耐久消費財として普及してきた。
1960年代のマイカーブームにより、憧れだったクルマが手の届く存在へと変わっていくと、より手頃で性能の良い、快適でスタイリッシュなクルマが求められるようになった。オイルショックという冬の時代ののちに、クルマは大きく進化。排ガス規制によって自動車メーカーの技術革新は進み、クルマ全体を進化させた。
そうやって続々とユーザーの元にクルマが届けられ、当たり前の存在になっていくと、特定の車種が人気を得るようになった。一部のカテゴリーに人気が集中するムーブメントが起こったのだ。
1980年代に始まったRV(レクリエーショナル・ビークル)ブームでは「クルマで生活をより豊かにしよう」というイメージ戦略とユーザーの好みがマッチした結果、クルマのバリエーションが広がった。
RVブームでは、さまざまなタイプのクルマが販売され、車種の選択肢が一気に広がった。写真は高級感が一気に増したハイエースワゴン。セダン、クーペ、ハッチバックばかりだった乗用車が、バラエティー豊かになった(写真:トヨタ)
その後、走破性を高めたクルマが人気となり、4WD(四輪駆動)ブームが起こった。さらに、車両保安基準の緩和でクルマのカスタムが広まると、ルーフの長いステーションワゴンの車高を下げればスタイリッシュに見えることもあり、ワゴンブームが到来した。
また、居住性や実用性の高さからミニバンブームが起こり、現在はすっかり定着して乗用車市場の主力になった。近年のSUV人気は、もうブームなどという一過性のものではなく、ミニバン同様乗用車の一般的なスタイルとして完全に定着した。
「セダンがスタンダード」という概念は、もはや過去のものとなった感がある。
最近は、丸いヘッドライトのクルマが増えている。ヘッドライトの造形技術が向上し、デザインの自由度が上がったことと、クルマの個性を強めて差別化するために、昔のクルマや動物のイメージを利用する傾向が強くなっているためだ。
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