経費精算「5件に1件が差し戻し」をどう変えた? 丸紅グループが挑む「マニュアルゼロ」の業務改革(3/3 ページ)
ホールディングス化に伴い経費精算システムを刷新した丸紅グループ。規定やマニュアルの策定を進めたが、現場の実態とのギャップによる誤申請や問い合わせの急増が課題となっていた。「マニュアルゼロ・迷いゼロ」を掲げ、経理業務の変革を目指す同社の取り組みに迫る。
短期間で改善・再リリース アジャイル型運用の実践
システム導入を担ったグループ会社、丸紅ITソリューションズの篠田恵美子氏(システムインテグレーション事業本部 副部長)によると、全てを一度に作り込むのではなく、まずは、問い合わせや差し戻しが特に多い「国内出張・交通費」にターゲットを絞ってスタートしたという。
例えば、出張目的の入力欄では、従来はフリーフォーマットゆえに記載漏れや不十分な内容が多く、差し戻しの原因となっていた。そこで画面上に「出張目的を具体的に記入してください」と必須要件を直接アラート表示するようにした。また、エラーが出た際にも「何をすればエラーが消えるか」という具体的な対処法を画面上に補足表示した。
「現場のリアクションや利用状況のデータを短期間で確認し、使いづらい部分があれば即座に修正して再リリースする。このサイクルを回しながら、画面の視認性や案内内容をブラッシュアップしていきました」(篠田氏)
目指すは「マニュアルゼロ・迷いゼロ」 システム導入をゴールにしない
システムは「導入して終わり」ではない。現場のユーザーが迷いなく使いこなし、業務として定着して初めて真の価値を発揮する。
丸紅グループの取り組みは、システム刷新に伴う現場の摩擦という、多くの企業が抱える普遍的な課題に対し「利用者にマニュアルを読ませるのではなく、システム側が利用者をガイドする」という一つの解を示している。
「まだまだ道の途中ですが、どこで迷いや差し戻しが起きているのかを可視化し、改善し続けるサイクルを回すことで、最終的には『マニュアルゼロ・迷いゼロ』を実現したい」――松澤氏の言葉は、システム導入をゴールとせず、現場の迷いや課題に向き合い続けることの大切さを改めて教えてくれる。
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