2015年7月27日以前の記事
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「稼ぐやつが偉い」 プルデンシャル61億円超の不正の根底にある、“制度に書かれていない”空気の支配:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)

「再発防止策を実行しただけでは、会社は変われない」――プルデンシャル生命を揺るがした営業社員らによる顧客からの不適切な金銭受領問題。改革が求められる中、問われているのは、制度の拡充ではなく長年現場を支配してきた「空気」の刷新だ。

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「稼ぐ社員には口出しするな」 就業規則にない“空気”が組織を支配する

 ここからは私の見方である。

 完全歩合制に近い報酬は、たしかに人のやる気を引き出す。一方で、成績が伴わなければ生活が立ち行かなくなる。その怖さが、目先の数字を追う癖を付けることにつながっている。

 では、最低保証給を入れれば、その癖は消えるのだろうか。私は、そう簡単ではないと思う。

 スポーツに例えると、報酬だけで動かされてきた選手に「明日からチームプレーを大事にしよう」と言っても、すぐに動きは変わらない。それ以上に厄介なのが、億単位を稼ぐ社員を特別扱いしてきた「空気」である。

 「成績優秀者と管理者の関係が逆転し、指導が困難」となっていたという指摘もみられる。稼ぐ人のほうが偉い。だから上司も注意できない。この空気は、制度のどこにも書かれていない。しかし、現場の全員が感じ取っている。そして、空気ほど人を動かすものはないのだ。

 考えてみてほしい。就業規則に「売れる人には逆らうな」と書いてある会社など、どこにもない。それでも、誰も逆らわない。朝礼で表彰されるのが誰か、会議で発言を遮られないのが誰か、支社長が笑顔で近づいていくのが誰か。社員はそうした光景を毎日見て、言葉にされないルールを学んでいく。制度より先に、この空気が人の行動を決めているのである。

 金融庁も、報奨制度や評価制度がコンプライアンスより営業を優先する歪んだ企業風土を助長した、と指摘している。さらに「支社長を頂点とする各支社は存在感と独立性を強めていった」「(営業第一線に対して、本社・本部が)物が言えない」「支社任せ」とまで踏み込んだ。

 制度を変えることは、できる。だが、そこに漂う空気までは、書き換えられないのである。

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