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「稼ぐやつが偉い」 プルデンシャル61億円超の不正の根底にある、“制度に書かれていない”空気の支配:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)

「再発防止策を実行しただけでは、会社は変われない」――プルデンシャル生命を揺るがした営業社員らによる顧客からの不適切な金銭受領問題。改革が求められる中、問われているのは、制度の拡充ではなく長年現場を支配してきた「空気」の刷新だ。

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2027年までのカウントダウン 「なぜやるのか」を伝え続ける上司の覚悟

 改革すべきことはたくさんあるが、まず私が最も大事だと考えるのは、マネジャーの意識を変えることだ。

 マネジメントとは、目標を達成させるためにリソースを効果的かつ効率的に配分することである。ところが、稼ぐ社員に上司が指導できない状態では、配分どころではない。報告書が指摘した「関係の逆転」とは、マネジメント機能が止まっていたということだ。

 これまで同社の営業は、個々のライフプランナー(営業社員)に任されてきた。自分の人脈で顧客を見つけ、自分で売り、自分で守る。個人の力に頼る分、営業活動は密室化しやすい。会社がサポートする体制に変える、という方針は正しい。本社スタッフによる顧客対応も、AIによる面談記録も、密室をなくす一歩になるだろう。

 ただし、道具を入れただけでは空気は変わらない。「なぜ録音するのか」を現場が納得していなければ、監視されていると受け取られるだけだ。そこを語り続けられるかどうかは、支社長をはじめとするマネジャーにかかっている。

 空気をつくるのは、いつも身近な上司である。社長がどれだけ立派な方針を掲げても、支社長が稼ぐ社員に遠慮していれば、現場の空気は変わらない。逆に、マネジャーが毅然と振る舞えば、たとえ制度が完璧でなくとも、少しずつ空気は入れ替わっていくものだ。

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管理職の意識改革が変革の鍵を握る(提供:ゲッティイメージズ)

 業務停止は、2027年1月末までである。最低保証給の導入も2027年からだ。時間は、あまり残されていない。

 しかし、制度は設計すれば動くが、空気は違う。何度も語り、繰り返し伝えるしかない。得丸社長は会見でこう述べている。「なぜ、今回の再発防止策を取るのか」「何を解決するために実施するのか」を社員一人一人が理解しなければ、改革にはつながらない、と。

 答えは、すでにトップの口から出ている。あとは、その言葉を何度現場に届け続けられるかだ。組織の空気は、制度ではなく、人がつくる。遠回りに見えても、それ以外に道はないのである。

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