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「6億台のコネクテッドカー」動かす光技術 IOWNは欧州のデータセンター危機を救うか?(3/4 ページ)

生成AIの需要爆発で欧州データセンターの空き容量が逼迫する中、NTTが提唱する次世代光技術「IOWN」が脚光を浴びている。電力危機を打破する切り札として期待が高まる光通信革命の最前線を、オランダ現地取材から追う。

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「残容量3.1%」 AI爆発で危機に瀕するデータセンター

 欧州のデータセンター事業を推進するオランダデータセンター協会のスタイン・グローブ代表もFUTURESに登壇し「EUにおけるクラウド市場で、EU系の事業者のシェアは2017年の29%から2022年には15%へと半減した」と危機感を露わにした。

 欧州では「FLAP-D」(フラップ・ディー=フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリ、ダブリンの意)と呼ばれる主要5都市がデータセンター拠点として知られるが、稼働容量は2019年の1.8GWから2026年上期には3.8GWへと倍増。空き容量は平均7%前後まで落ち込み「フランクフルトに至ってはわずか3.1%しか残っていない状況だ」と話した。

 欧州のデータセンターの電力消費量も2024年の70TWh(テラワット時)から、2030年には115TWhへ急増する見通しだ。グローブ氏は「EU全体の電力需要増加分の約10%をデータセンターが占めるようになる」と供給能力の限界を警告する。

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欧州のデータセンター事情について講演したオランダデータセンター協会のグローブ代表(右)に記念品を手渡すIOWN Global Forumの川添会長

欧州「CADA法案」の始動 分散処理の切り札となるIOWN

 こうした潮流を受け、欧州連合(EU)も「GDPR」(一般データ保護規則)に象徴された従来の「守りの規制政策」から転換し、米国勢に対抗すべく6月にデータセンターの建設拡大を目指す「CADA」(クラウド・AI開発法案)を発表した。

 今後5〜7年でEU域内のデータセンターの計算容量を3倍へ引き上げる方針を掲げ、新たなデータセンターの建設計画を後押しできるよう、認可手続きの迅速化策などを打ち出した。EUは27カ国で構成され、各国の裁量権により従来1年程度だった認可取得が、現在は5年近くと長期化している。グローブ氏は「地元住民にもデータセンターの建設に対する反対運動があり、米国勢と戦うには厳しい現実がある」と指摘する。

 そこで注目されたのがIOWNだ。AIの「学習用データセンター」と「推論用データセンター」を地理的に分散させたり、「計算処理データセンター」と「データ保存データセンター」を切り離したりして、両者をAPNで結び、分散処理するアプローチだ。

 風力や太陽光などの再生可能エネルギーが豊富な場所へデータセンターを分散配置することもできるため、電力問題の根本的な打開策として期待が集まる。

総額5兆4000億円を投じる「AIギガファクトリー」構想

 EUではIOWNのような新技術を活用し、従来のFLAP-Dに加え、イタリア、スペイン、ポルトガル、フィンランド、ポーランドなどを対象に総額300億ユーロ(約5兆4000億円)をデータセンター建設に投じる基金を設立し、「AIギガファクトリー」の建設を進めようとしている。

 中間会議には次世代ネットワークを研究するアイルランドの政府系機関「CONNECT Centre」(コネクトセンター)も展示ブースを設けていた。金融やセキュリティ分野などに強いアイルランドでは、国内電力消費の22%をデータセンターが占め、深刻な社会問題となっているからだ。

 グローブ氏によれば「アイルランド政府は緊急事態を回避するため、3月よりデータセンターを新設する事業者に対しては自前の発電設備の設置を義務付けたり、再生可能エネルギーの活用を求めたりする新政策を発表した」という。

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IOWN Global Forumで展示ブースを構えるアイルランドの産官学組織「Connect」

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