【10月改正】「同一労働同一賃金」の意外な落とし穴 AI台頭で“待遇差への言及”が増える可能性も(1/3 ページ)
「同一労働同一賃金ガイドライン」が改正された。法的な罰則がないことから対応を後回しにする企業もあるかもしれないが、AIの普及で労務リスクは変化している。パート・契約社員による説明要求や「AI本人訴訟」のリスクが高まっている。法改正のポイントと企業が今すぐ講じるべき実務対策を社労士が解説する。
10月1日に「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正が施行され、パートタイムや有期雇用労働者のルールが見直されました。同ガイドラインは法律ではないため、基準を満たしていなくても罰則を受けることはありません。そのため、対応の遅れを楽観視している企業もあるでしょう。
しかし、生成AIの普及で状況が変わりつつあります。そこで今回の改正内容と企業が留意すべき点、そしてAI普及の影響について社労士が解説します。
労働条件通知書に「待遇差の説明窓口」の記載が必須に
今回の改正で、パートや契約社員といった有期雇用で雇われる社員に渡す「労働条件通知書」(雇用契約書)に以下の項目を追加することが、全企業に義務付けられました。
次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。
部署名 担当者名 (連絡先 )
労働条件通知書とは、企業が従業員を雇うときに、賃金や労働時間などの働く条件を記載して本人に渡す書類です。労働基準法第15条により、使用者は必ず労働条件通知書を労働者に交付することが義務とされています。上記の項目にある「通常の労働者」とは、正社員のことです。
同一労働同一賃金が「働き方改革関連法」の一環として2020年4月から順次施行されました。パート社員や契約社員などの待遇は改善されつつあります。しかし、賞与や退職金が支給されないほか、正社員には付与される夏季休暇や正月休暇がないなど、依然として正社員に比べて待遇が劣る労働者は多いです。
こうした状況を改善するため、まずはパートや契約社員が「なぜ正社員と比べて待遇差があるのか」という説明を企業側に求める機会を増やそうとする狙いがあります。
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