「DXなき事業には人も金も出さない」 住友商事、4800人を“デジタル人材”に変える仕組みとは(2/3 ページ)
SCSK完全子会社化や新組織の設立でDXを加速する住友商事。「営業が本業」だった商社パーソンをどうデジタル人材に変えるのか。デジタル・AI推進トップの巽達志執行役員に戦略を聞いた。
社員のDX・AIスキルを等級化する「Dグレード」 導入効果は?
――社内にデジタル・AIの考え方を浸透させる工夫は。
一つは、DAISを経営の仕組みに埋め込むこと。年に一度の戦略会議で、各事業の戦略にデジタル・AIの要素を入れて議論する。経営会議でも、営業とコーポレートの各グループに進捗(しんちょく)を報告してもらう。進んでいなければ評価されない。そのサイクルが各事業会社まで届くようにしている。これは全社戦略という全体の話だ。
一方で、社員一人一人にも自分事として捉えてもらう必要がある。そこで、D1からD6まで、デジタルスキルを等級化する「Dグレード」を設けた。座学や研修、G検定(ジェネラリスト検定)などの外部資格、実際のプロジェクト経験の中から、自分で選んで積み上げていく。グレードが上がれば自身にとってキャリアの選択肢が広がり、会社側にとっては新しい案件に誰を充てるかが見えやすくなる。まずは当社単体の約4800人、新人から社長まで全員を対象にした。
――Dグレードの効果は。
想定以上だった。半数以上がすでに取り組んでいる。G検定や生成AIパスポートは会社が費用を負担したところ、約2000人が応募した。全役職員に2年以内の一定グレード取得も求めている。
――資格取得を人事評価につなげるなどの取り組みの予定は。
評価につなげる、報奨金を出すなどの議論はした。しかしデジタルやAIはツールで、使ったかどうかが評価に直結するのはおかしいと考えた。使いこなせる人に、次の重要なポジションや機会が巡ってくる。そのほうが自然だと考えた。
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