5000円のお見舞金で幕引き? GMO熊谷社長「そうではない」──不正アクセスの真相と“後手の悔恨”【ブログ全文】(2/5 ページ)
外国為替証拠金取引(FX)のためのサービスに不正アクセスを受けたことを巡り、GMOインターネットグループの熊谷正寿社長が10月25日、事前に社内の技術者から安全性に関して「改善すべき課題」が指摘されていたとブログに投稿した。一律5000円の見舞金を支払うと発表したことについて、「ご不便とご心配」をかけた顧客への「初動の誠意」だと説明し、幕引きを否定。インターネットが「壊れかけている」として「官民連携」で守ろうと強く訴えた。
「いま、インターネットそのものが壊れかけている」
その上で、私が今、一人のインターネットの現場に生きる人間として、どうしてもお伝えしたいことがあります。
「今こそ官民連携で日本を、そしてインターネットを守ろう」
これが、偽らざる私の心からの叫びであり、気持ちです。
そしてその根底にあるのは「いま、インターネットそのものが壊れかけている」という、極めて深刻な現状認識です。
壊れゆくインターネットと、直面している危機
インターネット産業の黎明期からこの世界に身を投じて31年。人々に笑顔を届けると信じて仲間たちと築いてきたサイバー空間が、今、悪意ある者たちによって根底から破壊されようとしています。
背景にあるのは、AI技術の爆発的な進化と悪用です。
オープンウェイトのAIモデルが容易に組み合わされ、無数の攻撃ツールへと拡散したことで、かつては高度な技術を要したサイバー攻撃が、誰でも容易に実行できる時代へと一変してしまいました。
実際、当グループのGMOサイバーセキュリティbyイエラエの調査では、日本企業約20社を狙った不正アクセスの攻撃元で、本来は防御のための自律型AI侵入テストツール「ARTEX」(アルテックス)が悪用されていたことを確認しています。
簡単な指示だけでAIが弱点を探し、侵入まで自走する――そういう時代にすでに入っているのです。
攻撃者のコストは劇的に下がり、この1年余りで脅威はかつてないスピードで深刻化しています。これはもはや、AIが生み出す無数の攻撃が防御側の対応能力を圧倒する「AIのサイバー飽和攻撃」とも呼ぶべき事態です。
今回の攻撃が、突きつけたもの
今回の私たちへの攻撃は、まさにその象徴です。
影響の範囲:対象となり得るサーバは2万6739件、国内外70社以上の証券会社・FX事業者などに開設されたお客さまの取引口座に対する不正操作の継続
卑劣を極める脅迫:「お客さまの口座に対する不正な取引操作の継続」「接続されたお客さまのPC内の情報に関する不正公開およびランサムウェア攻撃」「当社システムや運用体制などに関する内部情報の外部不正公開」
「FX取引のVPSだから重要インフラではない」というご意見もあります。しかし、これは単なる一部サービスの障害ではありません。国内外70社以上の金融基盤に接続する環境が標的となり、国民の金融資産、そして個人のPC内の生活データまでが人質に取られているという現実です。
これを「民間の一事案」として見過ごせば、次はあらゆる社会基盤や個人資産が、同様の手口で脅かされることになります。
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