5000円のお見舞金で幕引き? GMO熊谷社長「そうではない」──不正アクセスの真相と“後手の悔恨”【ブログ全文】(3/5 ページ)
外国為替証拠金取引(FX)のためのサービスに不正アクセスを受けたことを巡り、GMOインターネットグループの熊谷正寿社長が10月25日、事前に社内の技術者から安全性に関して「改善すべき課題」が指摘されていたとブログに投稿した。一律5000円の見舞金を支払うと発表したことについて、「ご不便とご心配」をかけた顧客への「初動の誠意」だと説明し、幕引きを否定。インターネットが「壊れかけている」として「官民連携」で守ろうと強く訴えた。
「スマホは、ただの高価な懐中電灯に変わる」
多くの方は、サイバー危機を「自分のスマホやPCがハッキングされること」だと考えておられるかもしれません。しかし、本当の惨事は、ご自身の端末が無傷のままでも起こり得ます。
スーパーでクレジットカードが使えず、ATMが止まり、病院では電子カルテが開けず診療も手術も止まる――そんな一日を想像してみてください。
あなたがハッキングされる必要はありません。あなたが依存しているシステムが止まるだけで、生活そのものが止まってしまうのです。そのとき、ポケットの中のスマホは、ただの高価な懐中電灯に変わります。
これは空想ではありません。最近も、PHPの重大な脆弱性がAIによって瞬く間に悪用され、自動化された攻撃試行は数時間で数百万件に達しました。多くのサイトが自らを守るために、意図的にサービスを止めざるを得ませんでした。攻撃者はもはや個別の標的ではなく、インターネット全体に襲いかかっているのです。
二つの「ではない」を、私たちは完全に理解している
昨日(10月24日)、私たちが政府へ「能動的サイバー防御の適用」を具申したことに対し、メディアや有識者の方々からさまざまなご指摘をいただきました。
防衛上の機密や抑止力の観点から、政府が全てを明らかにできない立場にあることは、十分に理解しております。世間で指摘されているのは、次の「二つの『ではない』」です。
- 「GMOは、法が定める『特定社会基盤事業者』ではない」
- 「能動的サイバー防御は、民間企業から言われて動くものではない。政府が主体的に決めるものだ」
私は、この二つの法的な位置付けを深く理解した上で具申いたしました。
確かに私たちは、法律が想定する電力やガスのような従来のインフラ事業者ではありません。しかし、国民の大切な資産とデータが国境を越えた脅威に晒されている今、形式的な事業者区分にとどまらず、実質的な国民生活への影響に照らして適用可能性を検討していただきたいのです。
そして、私たちは決して自社の責任を国に転嫁し、救済を懇願しているわけではありません。
「10月1日に施行されたばかりの能動的サイバー防御法を、国民の財産を守るための血の通った生きた制度として機能させる、極めて重要な契機が今ここにある」と考えております。
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