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「遅延なきネットワーク」ソブリンAIの鍵に NTT川添氏が語る「IOWN」実装後の社会(1/2 ページ)

次世代光通信技術「IOWN」が、机上の概念検証(PoC)を越え現実空間を動かす「フィジカルAI」の実装フェーズへ突入した。オランダでの年次中間会議を受け、NTTの川添雄彦氏にインタビューした。米中テックに対抗し主権を守る「ソブリンAI」の基盤としての勝算など、光インフラの現在地と社会実装の展望を聞く。

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 次世代光通信技術「IOWN」を推進する国際組織「IOWN Global Forum」は設立から7年目を迎え、10月初めにオランダのアムステルダムで年次中間会議を開催した。

 これまではIOWNのユースケースのPoC(概念検証)が中心だったが、放送コンテンツのリモート制作や銅鉱山での遠隔操業支援といったフィジカルAI分野への活用など、IOWNの社会実装に向け、大きな一歩を踏み出した。

 フォーラムでIOWNの推進を担うキーパーソンに会場でインタビューした。IOWN Global Forum会長の川添雄彦NTTチーフエグゼクティブフェローにIOWNの実装に向けたこれまでの成果と今後の戦略を聞く。

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IOWN Global Forum会長を務めるNTTチーフエグゼクティブフェローの川添雄彦氏(以下、筆者撮影)

クルマの「死角」を光でなくす 専用AIとクラウドを結ぶ神経網

――IOWNをいよいよモバイル分野のデジタルツイン構築に活用するそうですね。

 デジタルツインの構築はもともとIOWN構想の重要な柱です。モビリティ分野への活用も初めから想定していました。

 人間の能力を超えるパフォーマンスをクルマに与えるには、新しい技術の導入が必要です。ただ大規模な生成AIの技術がそのままクルマに使えるわけではありません。必要なのはクルマのセンサー情報から状況を判断し、運転操作に特化したAIです。

 一方、道路の障害物や混雑状況などの情報入手はクラウドに頼らざるを得ません。つまり専用のAIと、汎用のAIを遅延なくつなぐのがIOWNです。その実現に向け、モビリティ分野のデジタルツインの構築を目指している5GAA(5G Automotive Association)と、コネクテッドカーを推進しているAECC(Automotive Edge Computing Consortium)と提携しました。

――具体的にはIOWNの技術をどんなところに使うのですか。

 クルマとデータを直接やり取りするのは無線になりますが、5Gの登場で無線部分の遅延はなくなりました。しかしモバイル基地局からデータセンターまでの間は固定回線です。その固定部分の遅延を取り除かなければ、エンド・トゥー・エンドでの遅延は解消できません。

 ですから、すでに学習したAIを使い、目の前のセンサー情報と照らして瞬時に運転の判断をする一方で、交差点などのクルマから見えない情報は、ネットワークを介して入手します。そうした知見を積み重ねてAIをさらに賢くしていくには、IOWNのような超高速ネットワークが不可欠です。

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コネクテッドカーの国際推進組織「AECC」の大西亮吉代表はオンラインで登壇

6Gを見据えた「実装先行」の3団体同盟

――3団体が提携したことで今後どんなことに取り組んでいくのでしょう。

 5GAA、AECC、IOWN Global Forumの3つの団体には、実は共通点があります。いずれも技術の標準化を行う団体ではなく、技術の実現に向け、具体的な形を示していくことがミッションです。

 2030年に向けて6G(第6世代通信システム)の標準化作業がITU(国際電気通信連合)の場で進んでいます。そうした標準化団体に私たちが働きかけていくことでIOWNの社会実装を目指していきます。

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オンラインで登壇した大西AECC代表と記念撮影する5GAAのフラメントCTOと川添氏

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