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「切磋琢磨する関係だが……」 日本郵船、今治造船ら7社が「オールジャパン」で挑む“次世代船”、対中韓の勝ち筋は(1/3 ページ)

日本郵船や今治造船など、海運・造船・エネルギー大手7社が結集し「アンモニア燃料船」を建造するプロジェクトが始動した。中国や韓国も注力するこの領域で、日本勢は“勝ち筋”をどう見いだすのか。

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 日本郵船、今治造船、JERA(東京都中央区)など7社は10月27日「アンモニア燃料船の建造」「船舶用燃料サプライチェーンの構築」に取り組むと発表した。燃やしても二酸化炭素を出さないアンモニア燃料を生かした「海運の脱炭素」に、国内大手が結集して取り組む。

 「新たな船舶燃料の使用は、脱炭素に向けた究極の解決策だが、個別の取り組みではハードルが高い。(中略)本プロジェクトはこの課題の解決を図るものだ。エネルギー、造船、海運の7社を中心とした『オールジャパン』で推進することは、日本にとっても非常に重要なステップだ」――川崎汽船の五十嵐武宣氏(社長)は、同日の共同記者会見でこう語った。

 同プロジェクトに参画する7社は、海運大手の日本郵船と川崎汽船、造船大手の今治造船、日本シップヤード(東京都千代田区)、新来島どっく(愛媛県今治市)、旭洋造船(山口県下関市)、エネルギー大手のJERAだ。

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左から旭洋造船の越智勝彦氏(会長CEO)、JERAの奥田久栄氏(社長 CEO兼COO)、日本郵船の曽我貴也氏(社長)、川崎汽船の五十嵐武宣氏(社長)、新来島どっくの森克司氏(社長)、今治造船の檜垣幸人氏(社長)、日本シップヤードの檜垣清志氏(社長)|編集部撮影

造船大手がタッグ「世界市場で切磋琢磨する関係だが……」

 海運業界では、脱炭素化に向けて温室効果ガスの排出削減が求められている。荷主にとっても、貨物輸送に伴う温室効果ガス排出量(スコープ3)の削減は急務だ。そこで、再生可能エネルギーを用いて生成した水素を原料とする「グリーンアンモニア」を燃料とし、海運の脱炭素を目指す。

 7社のプロジェクトでは、アンモニアを燃料とする自動車運搬船を、2030年度までに4隻建造する。自動車メーカーが集まる中部地域を拠点とし、グリーンアンモニアの調達・出荷基地の整備、供給体制の構築、運用スキームの確立などに取り組む。

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プロジェクトの枠組み|出所:共同記者会見の説明資料

 新たな自動車運搬船の建造は、海運大手の日本郵船が新来島どっくに、川崎汽船が今治造船と日本シップヤードに発注する。

 4隻の基本設計を担うのが、新来島どっくだ。アンモニアは毒性があり、船舶燃料としての採用実績が少ない上、国際的な造船ルールも不十分だとし、安全対策を最優先にして設計するという。完成すれば、アンモニアを主燃料とする二元燃料エンジンを搭載した国内初の大型自動車専用船になると同社は説明する。

 新来島どっくの森克司氏(社長)は「今治造船、日本シップヤードとは、普段は世界市場で切磋琢磨する関係だが、この船を形にするという共通の目標に向けて力を合わせる『共創』の道を選んだ。本プロジェクトは市場シェアの争いではなく、海運の2050年温室効果ガスネットゼロを後押しする取り組みだからだ」と意気込みをみせた。

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新来島どっくの森氏|編集部撮影

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