カスハラ対策、企業の約3割が「何もしていない」 法改正で義務化も対応に差、背景は?(2/2 ページ)
改正労働施策総合推進法の施行により、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が全事業主に義務付けられた。しかし、帝国データバンクの調査では、約3割の企業が「特に取り組んでいない」と回答した。
直近1年でカスハラ被害が「ある」企業は15.3%
直近1年以内に、自社もしくは自社の従業員がカスハラや不当な要求などを受けたことが「ある」企業は15.3%だった。企業からは「感情的に自分の主観で暴言を吐くなどのカスハラは多数ある。SNSへの不当な書き込みも多い」といった声があった。
一方「ない」とした企業は67.2%で、2024年6月の前回調査から1.8ポイント増加した。「カスハラという言葉を聞くようになってから、暴言、権威的な態度が減った」「コンプライアンスが周知されて以降は特に問題は起こっていない」といった意見が寄せられた。
「分からない」とした企業は17.5%だった。「カスハラ防止に取り組んでいるが、現場作業では該当するか否か断言できないグレーゾーンが多く、判断が難しいケースがある」というように、線引きに悩んでいる企業もみられた。
カスハラ被害はどの業界で多いのか
カスハラ被害が「ある」と回答した企業のうち「大企業」は23.9%、「中小企業」は13.8%だった。中小企業のうち「小規模企業」は12.3%だった。
帝国データバンクは「大企業では、事業や顧客対応部門の規模によって顧客との接点が多いことに加え、顧客対応窓口や社内の報告体制を通じて、カスハラ事案が集約・把握されやすいことも、被害が『ある』と回答した企業の割合がより高い一因と考えられる」と指摘した。
カスハラを受けたことがある企業を業界別にみると、店頭で消費者と接する機会が多い「小売」が最も高く31.1%だった。以降「金融」(26.8%)、「不動産」(21.4%)、「サービス」(20.3%)が続いた。
一方、「製造」(7.6%)や「卸売」(12.6%)の割合は低かった。BtoBであることが主な原因と思われるが「取引上弱い立場にある企業である以上、元請けからの多少の不当なハラスメントには、従業員の生活を守るため耐えざるを得ない」といった声もあった。
本調査は9月14〜30日、全国2万2095社を対象にインターネットで実施した。有効回答企業数は1万235社。
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