+D Style 最新シネマ情報:「紀元前1万年」

太古の紀元前1万年を舞台にした荒唐無稽なCG大作「紀元前1万年」。つっこみどころは多々あるが、スクリーンいっぱいに走るマンモスは見ごたえ十分でそのリアルさは別次元。これぞ映画! と思わせるシーンの数々は、ぜひ映画館でご覧あれ。

photo (C) 2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

 「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のローランド・エメリッヒ監督は、常にバカでかいスケールを追求し、荒唐無稽なCG大作を作り出す達人として知られているが、今回もその期待を裏切られることはなかった。

 舞台は大昔の紀元前1万年。山奥に住む若きハンターのデレー(スティーブン・ストレイト)と青い目を持つ美しいエバレット(カミーラ・ベル)は幼い頃から惹かれ合い、将来を誓う。ある日、デレーは人々が“マナク”と呼んで恐れるマンモス狩りに挑むが、持っていた槍の上にたまたまマンモスが倒れてきたために、図らずも射止めたと誤解されてしまう。偶然の産物のはずが、ヒーローとして祭り上げられ、その褒美としてエバレットとの結婚を許される。デレーの心境は複雑だった。そんな中、奴隷狩りの一団が現れ、村を破壊し、エバレットと仲間を連れ去っていく。デレーは愛する者を救い、真の勇者になるべく、彼らを地の果てまで追うが……。

photophotophoto (C) 2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

 話の筋はメル・ギブソン監督作「アポカリプト」(2006)と被るが、残念ながら、主人公が走って、走って、走り抜けたあちらほどの高揚感はない。しかも、とにかく頭の中に「?」が浮かび、ツッコミたいシーンがてんこ盛りだ。なにせ何カ国語も話す部族もいれば、マンモスを利用してピラミッドらしき建造物を建設しているシーンもある。だが、そんなことに目くじらを立ててはいけない。エメリッヒの意図はあくまでSFXによるダイナミックな映像を見せること、マンモスの大群をスクリーン一杯に走らせること。それは、やたらと俯瞰するオーバーなカメラワークにも表れている。つまり歴史の勉強は教科書でどうぞ、ということだ。もう、その点は見ごたえ十分。「毛筋1本までよみがえらせた」と宣伝文句にうたわれているマンモスはもちろん、“牙”と呼ばれるタイガーも生き生きと描かれ、そのリアルさは別次元。

 最低映画の称号“ラジー賞”にノミネートされそうな匂いがプンプンするが、地味なラインアップのゴールデンウィーク映画の中にあって、マンモス狩りも、ピラミッド建設も、これぞ映画! と思わせるダイナミックなシーンが度々登場するので、ぜひスクリーンで体感してください。

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(C) 2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

紀元前1万年

監督・脚本・製作:ローランド・エメリッヒ/脚本・製作総指揮・音楽:ハラルド・クローサー

出演:スティーブン・ストレイト、カミーラ・ベル、クリフ・カーティス

2008年4月26日(土)より丸の内ピカデリー1ほか全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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