これがどれだけ過酷かっていうと、北コースを1周したなら一般公道を80キロ走行したのと同じダメージを受ける、と言われているくらい。しかもクルマだけでなく、運転するレーシングドライバーの精神的ダメージも相当なもの。「こんなに勇気を振り絞って走らなきゃならないコース、日本には存在しない……」とは、今回のレースでスバル・インプレッサのドライバーを務めた松田晃司選手の談。
そんな過酷さ故に、この北コースでは世界の名だたる自動車メーカーが開発車両をテスト走行させることで知られています。サーキットの近くには自動車メーカー所有のガレージが数多く居を構えていることからも、その重要性が容易に推測できます。
そして、私たち観客にとっては、こんなに荒れたコースだからこそ観戦がエキサイティングなものになるんです!
路面にギャップがあるため、車速の高いクルマはジャンプしながら駆け抜けるその名も「ジャンピングポイント」は、24時間人が押し合う人気スポット。私もキャッキャ騒ぎながらドイツ人に混じって歓声をあげました。また、エスケープゾーンが少ないってことは、それだけコースサイドが近い、ということ。それは迫力のマシンをまさに鼻の先で観戦することができちゃうってことなんですよね。
ちなみに、このニュル24時間を一番楽しんでるのは地元の皆さん。おじいちゃんおばあちゃんパパママお子さん親戚恋人友達……みんなレースの3日も4日も前からキャンピングカーやワゴンでコースサイドに泊まり込んで、ビールとソーセージ片手に盛り上がり続けます(余談ですが、ドイツ人は本当にフランクフルトとビールが大好きで、サーキットの観戦客はびっくりするほどそればっかり食べてました)。
バーベキューセットを持ち込んで、音楽を楽しみながらレースを待つ様子は、日本の「三社祭」のようなにぎわいがあります。おじいちゃんが孫を膝に乗せ、大声でクルマにヤジを飛ばしてる。小旗を振って応援する家族のおばあちゃんが、手作りのケーキをみんなに振る舞ってる。観戦にスタイルがあって、ほんとに素敵だった。
こうしてレースへの愛情って、下の世代へつながっていくんですよね。なんかあこがれちゃいました。観客動員数はなんと20万人を軽く超えるそうです。コースの長さもハンパないですが、観客数もハンパないですよね。実はエントリー台数もハンパないし、レース自体もハンパないんですが。
おっといけない、あこがれのニュルを握りこぶしで紹介しようとリキむあまり、レースリポートをする余裕がなくなっちゃいました……次回はレースリポートをお届けしたいと思います! お楽しみに♪
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