コラム
» 2008年07月14日 07時50分 公開

淡泊だが開放感のあるレンズ、G.ZUIKO F3.5/28mmの実力-コデラ的-Slow-Life-

2つのジャンクレンズを組み合わせて修理したOLYMPUS G.ZUIKO AUTOーW F3.5/28mm。実際に撮影してみると、クールな発色だが湾曲の少ない、いいレンズだった。

[小寺信良,ITmedia]

 レンズの入れ替え、再組み立てを行なったOLYMPUS G.ZUIKO AUTOーW F3.5/28mm。実際にOM-2 SPに付けてみると、高さがあまりないことから、全体的にも非常にコンパクトなシステムとなる。最近のワイドレンズは、いわゆる「パンケーキ」型が人気だが、このレンズは標準設計を延長してワイドに近づけていった感じがする。

 しかし薄さというのは意識したようで、フィルタリングのギリギリまで前玉が迫っている。それに加え、コーティングはマルチではなく、モノコーティングだそうである。逆光時にはかなりフレアに注意しないとマズいだろう。


photo クールな発色だが、湾曲の少ないいいレンズだ

 実際に撮影してみると、ファインダ上でも結構深度が深い。スクリーンにスプリットがあるOM-2 SPだったからフォーカスが取れたものの、スプリット無しに交換してしまったOM-10では、ちょっと使うのは難しいだろう。

 全体的な絵作りは、やはりいつものオリンパステイストで、発色はクールだがキレのいい絵になっている。元々深度が深いせいか、レンズを変えても特定方向の歪みやボケは感じられない。素人が組み上げてもちゃんと性能が出るというのは、各部品の確かな加工技術の賜(たまもの)だろう。

 開放がF3.5なので、ISO100のフィルムを入れれば、夕暮れ時ならほぼ開放で撮れる。最短30センチまで近寄れるので、大きな花などを撮ると独特の雰囲気がある。ただ気分的には、もう少し寄れれば面白い構図になったのに、というケースが結構あった。これ以上は接写リングかマクロレンズの出番というわけだろう。

photophoto 開放でもボケはそれほど深くならない(左) できればもう少し寄りたかったところだ(右)

 一方で絞って撮れば、とたんにカリッとした描写のレンズに変貌する。最高F16では、手前0.8メートルから無限遠までのパンフォーカスだ。これで西海岸あたりを撮ると、そうとう気持ちのいい絵になることだろう。

photophoto 開放では立体感のある柔らかい絵(左) 絞ればかっちりとした解像感(右)

 これまでもいくつかオリンパスのレンズやカメラを使ってみたが、元々設計思想としては、あまり開放でぼかして撮るというところに重きを置いていないのではないかと思う。むしろF4からF5.6ぐらいまで絞ったときの描写力の高さ、隅々までガキッと写るというところに活路を見いだしているように思える。

 OMマウントのレンズは、オリンパス以外のメーカーも参入していた。調べてみると、以前買ったVivitar以外にも、Cosina、Tamron、Tokina、Sigma、Soligor、Kenkoなどがあるようだ。今後は敢えて特殊用途のレンズを探してみるのも、面白いかもしれない。またPenF用のマウントアダプタを探して、オリンパス同士で使ってみるのも、きっと楽しいだろう。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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