2006年10月、復刻モデルとして登場した「ゴールデンホース」は、ラドーが日本で初めて発売したゴールデンホースの初期モデルを忠実に再現した時計。初代モデルを知るゴールデンホースファンには懐かしく、また若い時計ファンにはネオクラシックな雰囲気をたたえた、“旧くて新しい時計”として迎えられた。
現行モデル。SS製ケース&ブレスレットモデルには、シルバーとブラックの文字盤が用意されている。18Kローズゴールドプレイテッドケース&レザーストラップはシルバー文字盤。このままアンティークウォッチショップのショーケースの中に陳列されていても全然違和感のない出来である。写真左・中が、12万6000円。右は13万7550円。共に100メートル防水、自動巻細部のディテールを見ると、まず風防ガラスは当時と同じ曲面仕上げ処理を施したプレキシーガラスを採用。航空機の窓ガラスなどに使用される、このプレキシーガラスの加工が行なえるのは、スイス国内でもごく僅かといわれる。また優れた耐水性能を誇るスクリュータイプ(ねじ込み式)リューズとケースバック(裏蓋)の採用による100メートル防水、自動巻きの証である文字盤上の赤いアンカーマークとタツノオトシゴ、そして外周が緩やかに傾斜する文字盤など、1958年の発売当時のディテールをほぼ忠実に再現している。

クロノメーター仕様の各モデル。SS製ケース&ブレスレットモデル:17万8500円。18Kローズゴールドプレイテッドケース&レザーストラップ:18万9000円。ムーブメントは、自動巻き、ETA2824-2、25石、38時間パワーリザーブ、2万8800振動、スイス公式クロノメーター検定(COSC)バリエーションには、過酷な精度テストに合格した時計だけが表記を許された「ゴールデンホース クロノメーター」(CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED の文字が文字盤に記載)もラインアップされている。初代モデルと復刻モデルを比べてみると、その違いは“間違い探し”レベル。現行モデルにだけ見られる外観上の特徴はせいぜいリューズガードくらいだろう。リューズのサイズ&性能アップにともない、上下両サイドからわずかにせり出したガードがリューズを保護している。また当時なかったローズゴールド(18Kローズゴールドプレイテッドケース)とブラックダイヤルの組み合わせや、クロノメーター規格をクリアした高性能モデルも現行だけの存在。
苦労してアンティークモデルを入手したはいいけど、古いムーブメントのメンテナンスに不安を覚えるなら、考えようによっては復刻モデルをストレスフリーでガンガン使った方がいいのかもしれない。
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