熾烈で豪華な、女の対決――映画「プライド」完成披露試写会+D Style News

» 2008年11月20日 15時28分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 代表作である漫画「有閑倶楽部」がテレビドラマ化されたことが記憶に新しい、漫画家の一条ゆかりさん。彼女の作品で、オペラを軸に2人の少女が繰り広げる人間ドラマを描いた漫画「プライド」が一条さんのデビュー40周年を記念して実写映画化され、2009年1月17日から丸の内TOEI(2)ほかで、全国ロードショーされる。

photo 登場した(左から)金子修介監督、一条ゆかりさん、歌手のステファニーさん、女優の満島ひかりさん、俳優の及川光博さん

 11月20日にその完成披露試写会が開催され、原作者の一条ゆかりさん、金子修介監督、麻見史緒を演じた歌手のステファニーさん、そのライバル・緑川萌を演じた女優の満島ひかりさん、史緒と萌に絶妙に関わるレコード会社の御曹司・神野隆役の俳優・及川光博さんが登場した。

 今作には、今は亡き有名なオペラ歌手の娘である麻見史緒(ステファニー)と、貧しい家庭で育ちながらも、オペラ歌手への夢を持って生きる緑川萌(満島ひかり)という2人のヒロインが登場する。育った境遇も性格も全く違う2人は1枚のオペラのチケットをきっかけに知り合い、共通の夢に向けたライバル争いを繰り広げ成長していく青春サクセス・ストーリーだ。

photophoto 原作者の一条ゆかりさん(左)と、監督の金子修介さん(右)。初の映画化に「自分が書いたセリフを生身の人間が言っていると、すごく恥ずかしい」(一条さん)と笑う場面も
photophotophoto タイトル「プライド」にかけて、それぞれのプライドを聞かれた3者。及川さんは「“ミッチー”という職務を演じきること」(左)、歌手であるステファニーさんは「歌に対する熱意」(中央)、女優の満島さんは「お芝居のためにプライドを崩せるプライドを持つこと」(右)と語った

ミッチーもはらはらの対決シーンが見どころ

 ライバルである史緒と萌の対決シーンは、及川さんが「見ていてはらはらした」というほどの激しい仕上がり。初の演技に挑戦したステファニーさんは“演技をして、おもしろかったこと”として、この対決シーンをあげており「(対決シーンの)撮影の後に満島さんに『ステファニーまじ、むかつくんだけど』と言われて、すごく嬉しかった」とコメントした。ステファニーさんが満島さんを殴るシーンでは「(ステファニーさんが)『ビンタなんてできない……』と困りながらも、殴る時には思いっきりビンタをされた」(満島)と、対決シーンに力が入っていたことがうかがえる。

 「一条さんから『命かけて、この役やりなさいよ』と言われた」という満島さんは、「女の本性をえぐりだしたような過激な萌を演じたことで、絶対好感度が下がりますね」と、女優としての幅の広がりに満足そうな表情を見せた。

 対決だけではなく、オペラを歌うシーンも見逃せない。ヒロインが2人ともオペラ歌手を目指しているだけあり、金子監督は「ステファニーと一緒にオペラを見ることから始めた」といい、ヒロイン2人は独特の発声法はもちろん、オペラで展開される物語や、イタリア語、ドイツ語も勉強した。

 また、「しっかりお金を掛けて下さい。“ケチ”らないでね」という一条さんの希望があっただけあり、コンクールのシーンでの豪華な衣装にも注目だ。衣装だけでなく、撮影場所のチョイスにも力を入れたようで、史緒と萌が勤め始めるクラブ「プリマドンナ」のシーンは、きらびやかなシャンデリアの配される六本木のクラブで撮影したとのこと。そのゴージャスさに一条さんも「豪華でびっくり、原作で描いたクラブも豪華なのに、もっと豪華」と嬉しそうな顔を見せた。

 脇を固めるキャストには、及川光博さんや、高島礼子さん、渡邊大さんなど個性あふれる面々がそろう。中でもレコード会社の御曹司・神野を演じる及川さんは、原作者の一条さんが「前々から神野役には、この人しかいない! と周りに触れ込んでいたんですよね」と原作者が語るほどイメージにぴったり。「一条さんは、“前髪のぱらり具合”にまでこだわっていらっしゃった」(及川)というほど“そっくりさ”を追求した“神野氏”を原作と比較するのも楽しみの1つとなるだろう。

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