まず今回のマイナーチェンジで“おお!”と目に見えて分かる変化はエクステリアデザインです。
なかなかイケメンになったじゃ、あーりませんか!!
特にヘッドライト周りは明らかにキリっと存在感を増し、オトコマエになりました。ヘッドライトのほかにもフロントグリルやバンパー形状、リアバンパーやコンビネーションランプなどの変更などが施されたことにより、さらに落ち付き感と貫録を身にまとった印象です。
実はAクラス、ユーザーの半数が女性で、この数値はメルセデスのラインアップ中最も高い比率だそう。「このイケメンさこそが女性に人気がある一番の理由じゃあ?」なんて私はひそかに思いました。だって、結局クルマってデザインが印象を決めるでしょう?
今回のマイナーチェンジで“最近のベンツ顔”に若返ったAクラスはさらに好感度アップ。しかもそこに燦然(さんぜん)と輝くでっかいスリーポインテッド・スターがばーん! と付くんですから、見栄っ張りでブランドにうるさい女子のハートに、響かないわけがありません。
また、今回のマイチェンによって、小さくて見にくいと言われていたドアミラーが2センチ上部に移動し、視認性が向上しています。ワイパーも右ハンドル用に改良されました。それと、アンテナも洗車機に対応しています。
なかなか日本ユーザーの声が反映されにくい輸入車において、キチンと右ハンドル対応などを考えてくれるところは、さすがメルセデスですよね。
そして走り。こちらもさすがのメルセデスクオリティーでした。
取り回しがいいのは言うまでもないですが、交通社会全体の速度域が高いドイツで作られているだけあって、コンパクトながらも1.7リッターとは思えない伸びやかな走りを見せます。国産コンパクトとはまた違うスポーティーさです。
特に私がいいな、と思ったのはコーナー中盤から出口付近の挙動。
コーナーに切り込むと背の高い車格からかググっとロールをするのですが、そのロールの向こう側、コーナリング後半にかけてさらにグリップを高めてラインをトレースしていくんです。ダンパーの懐が深いんですよね。
その足周り+ナチュラルなステアフィールが“スポーティー”を“スポーツ”に傾かせない。いい感じに“ゆるい”味付けになっていて、ちゃっかり癒し系でした。
また、市街地の走行では、外見ほど腰高感のないドライビングポジションなのにもかかわらず、見切りが素晴らしくよくてラクチンでした。渋谷の道玄坂のような、交通量の多い細い道路に設置されたパーキングメーターでも、するっと入れる快感。メルセデスはどの車格のクルマも非常に見切りがいい設計ですが、アイポイントの高さでAクラスはダントツですね。
少し残念だったのは、車内音。特に後部座席に乗ったときは、お世辞にも静粛性が高いとは言えません。ラグジュアリーな空間だからこそ、こだわってもらいたい部分ではありますよね。
Aクラスに乗ってみて感じたのは「ストレスフリー」ということ。本当にクセがなく、間口が広い。ユーザーを選らばない使い勝手の良さは従順な少年のよう。
ちなみに本体価格は「A170」が269万円、「A170 エレガンス」が305万円!
扱いやすくてイバリの利くコンパクトなら、唯一無二、なのかもしれませんね。
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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