サーキット走行のススメ:+D Style モテるクルマの選び方
モテるクルマを乗りこなす運転技術を身につけるため、サーキット走行を体験してきました!! アナタは自分のクルマの挙動を、限界時に操作できますか?
サーキットを走ってきました!!
とは言え、レースではなく「走行会」と呼ばれるいわば練習走行大会。一部のクルマ好き・チューニングカー好き以外には残念ながらあんまり一般的ではないようですが(なにしろサーキットで走ってきた、と言うだけで「え、レーサーになるの?」なんて驚かれるくらいですから……。いくら無鉄砲がウリの私だって、そんな無謀なことはしません)、こういった走行会は、全国各地、主催者様々で数多く開催されています。
その多くはチューニングショップがそのお客さんとの交流を図る意味で開催されていますが、こういった走行会に出場することによって、一般道では得られないドライビングスキルの向上を望めますし、何よりも気分爽快!!
やっぱり運転はルーティンではなくスポーツなのねっ!! と、新鮮な感動を得ることが出来ます。
クルマのお仕事をしていると、レーシングドライバーという職業の方々とご一緒させていただくことが多くなります。私は根っからのモータースポーツファンで、観戦時は「あらら、ブレーキミスだわ」やら「ラインの取り方が悪いのね」やら「やっぱりこのクルマのセッティングはこのコースには合ってないわね」やら、好き勝手なこと言って楽しんでいますが(失礼!)、やはり「職業としてクルマの限界性能を常に引き出して走行しなければならない」方々の持つ車両感覚には尊敬の念を抱かずにはおれません。
取材なんかで同乗走行をさせていただいたモノなら、もう、尻尾を巻いて逃げ出すスゴさ。観戦時のナマイキ発言を「うそうそ、ぜ〜〜んぶうそでぇす、えへっ」なんて即刻撤回!
「なんでこのコーナーにこの速度で突っ込んでいけちゃうの?!」と、タイヤの鳴きより派手な絶叫をぶちかまし、「うるさい」と怒られてしまうほどです。
クルマから降りれば至って普通のオニイチャンなのですが(これまた失礼!)、一旦コックピットに入ればさすがプロ、どんなクルマだってまるであつらえたかのように素直に動き出すから、いつも「ほお〜〜〜」っと感動してしまう。
特にクルマの挙動が乱れたときの立て直したるや見事なもので、多分一般人ならあっけなくクラッシュ、という場面でも、一瞬でカウンターを当ててグリップを取り戻す手腕には「……人間ワザじゃないわね」なんて陳腐な言葉しか出てきません。
私はモータージャーナリストという職業に就いていますが、クルマを意のままに操る事に関してはまだまだ素人の域を出ません。それでもクルマに関わっている限り、そしてレーシングドライバーが操る国内トップクラスの運転を目の当たりにしている限り、「あれほどまでじゃなくても、やっぱ上手くなりてぇなぁ」なんてことは常日頃から思うわけで、かねてよりサーキット走行のチャンスをうかがっておりました。
今回お世話になったのは、大阪市西淀川区にショップを構える「マックスレーシング」(http://www.maxracing.co.jp/)様主催の「スーパーマックスバトル」。
マックスレーシングはオーナー自身がレーサーとしてスーパーGTやスーパー耐久などのレースに出場しているので経験も豊富だし、また、数々のレース用車両を作成していることから、信頼のおけるマシン造りに定評があります。
私が乗せていただけることになったのは、トヨタのアルテッツァ。
発売当時4WD車ブームの中にありながらも、FRの駆動形式にこだわって作られたこのアルテッツァは、いまだマニアの間でとっても人気があるクルマです。
走行リポートはさておき、先述したとおり、私は運転に関して、それほどの高い技術を持っているわけではありません。しかしこの走行会に来ている他の参加者の皆さんは、シロウトながら技術に自信アリ! のツワモノ揃い。
私が多少ヘンな挙動を見せたところで難なくかわしてくれますし、歩行者や対向車がないので、「安全に限界走行(自分比)」を楽しめます。一般道で突っ込んだら即廃車! なスピンを喫したときだって、エスケープゾーンにタイヤやスポンジが緩衝材として設置されていますから、クルマにもヒトにもダメージが少なく、何より「高速走行中のスピン」なんて非日常の極みを味わうことが出来たりもします(はい、かく言う私も高速スピン→クラッシュ経験者です)。
しかしこれは冗談ではなく、ハイスピードでの走行もさることながら、クラッシュを経験することって、私は実は非常に大切なことだと考えているのですね。
ハンドル操作を誤ってスピンを始めてしまったときに、次にどうすればいいのか、瞬時に判断できますか?
ブレーキを踏むのか。
どっちにハンドルを切ればいいのか。
とっさにできる自己防衛手段は何か。
一回経験しておけば、2度目からは車内でかなり冷静に対処できるのが事故というもの。「ああ、ぶつかるから首をヘッドレストに押し付けよう……」(ムチ打ち防止のため)なんて考える余裕も生まれるほどです。
レーシングドライバー並みに攻めることは出来ずとも、学ぶことがてんこ盛りのサーキット走行。機会があれば、是非参加してみてください。最近はレンタル車両のサーキット・ドライビングスクールも開催されていますし、ナンバー付き車両のみの走行会も開催されています。
運転技術あってのクルマ。
アナタは自分のクルマの挙動を、限界時に操作できますか?
いくらカッコイイクルマを持っていても、技術が追いつかないんじゃどうしようもなくダサい。まさに猫に小判です。
ただし、それがきっかけでサーキットにハマってしまっても……
責任は、持ちませんけど、ね。
筆者プロフィール
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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