「PowerShot N」第1回――面白がれるヒトの勝ちって感じ、かな:長期試用リポート(2/2 ページ)
GW直前、シャッターボタンのないカメラこと「PowerShot N」が届いた。使いにくいっちゃ使いにくいんだけど、面白がろうとアレコレできる人にとってはとっても楽しい、そんなカメラなのだ。
PowerShot Nは撮影しやすいかといわれると難しい
PowerShot Nはシャッターリングを使うか画面をタップして撮影するタッチシャッターかどちらかで撮影する。わたしはタッチシャッターが嫌いなので(不用意に押しちゃうし)オフにしている。
PowerShot Nをまったく触ったことがない友人(ちなみにカメラには詳しくないが、IT機器には超詳しい)に渡したら、撮影方法が分かりませんでした。ぱっと見て使い方が分からないのはダメじゃん、という観点でいけば、ダメダメである。
ちなみに製品を開けると最初にこんな絵が描いてあり、カメラのストラップホールにはこんなカードがくくりつけられている。
買った人は最初にこれを見て使い方を覚えるという仕組みだ。これは分かりやすくていい。このようにシャッターリングを上から下、あるいは下から上に押すと撮影できるのだ。
で、この独特の斬新な撮影作法に慣れたら撮りやすくなるか、といわれると微妙である。普通のカメラのように目の高さで構える場合はこんな風に持つことになる。
上の例では中指をシャッターリングにかけてシャッターを押している。その方がグリップしやすいから。普通にこう撮るのならノーマルなスタイルのカメラの方がしっかりグリップできるし撮りやすいだろう。これはちょっと手ブレしやすそうだ。
だがしかし、モニタを開いてローアングルで撮るとなると、実に持ちやすく撮りやすい。こんな風に持って親指で押すのである(あるいは人差し指で下から上に押してもいい)。
写真なんてわざわざ腕を上に上げて目の高さで撮らなくたっていいのである。むしろ胸からおなかの高さの方が撮りやすいし自然なアングルになりやすい。そういう意味では、モニタを開いて撮りやすい高さで撮れ、ってのがPowerShot Nの大事な点なのだ。
ちょっとしゃがめば簡単にローアングルで撮れるし。
ボディは非常にコンパクトなのでもっとアバウトに片手でがしっと握って親指で押してもいい。
上の写真だとモニタが隠れてるけど、モニタを開いてその下に手をいれてやれば、斜めからモニタを見ながら(視野角が広いのでけっこうよく見える)片手でさっとどんなアングルからでも撮れるのだ。
シャッターリングが中央にあるので左右どちらの手で撮ってもいい。自分撮り時も好きな手で持てるので楽である。
モニタが90度しか開かないのが残念だけれども(イマドキこんな面白いスタイルのカメラを出すのなら、180度回転させて自分撮り対応にすべきだろう)、それでもけっこうフリーダムに撮れる楽しいカメラなのだ。
つまり、PowerShot Nをどう評価するかは、このユニークなスタイルを楽しめるかどうかによって分かれると思う。カメラは顔の前に構えてしっかりグリップして撮らないと……と思ってる人には使いづらいだろうし、PowerShot Nの流儀を理解して面白がろうという人にはすごく楽しい。そんなカメラなのだ。
どんな写真を撮れるかは詳しくは次回にって感じだけど、普通に考えて「フルオート時の画質の安定性に定評があるキヤノンである」「1/2.3インチの裏面照射型センサーでありながら、1200万画素に画素数を抑えている」点を鑑みても、コンパクトデジカメとして十分通用する写真をフルオートで撮ってくれるのは期待できそうだ。
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