コンパクトなボディに“G”の名にふさわしい高画質――「PowerShot G7 X」:EVFは欲しかったけど(2/3 ページ)
キヤノンから登場した、1型センサー搭載のハイエンドコンパクト「PowerShot G7 X」は、ボディのサイズ感こそPowerShot S120をほうふつとさせるが、その画質の高さはプレミアムコンパクトの名にふさわしい。
見た目はPowerShot S、操作系はPowerShot G
という感じで基本性能が今までのSやGとはワンランク上がったG7 Xであるが、使い勝手はどうかというと、簡単にいえば「デザインはPowerShot S、操作系はPowerShot G」ってところ。
前面がフラットでコンパクトなのはPowerShot Sシリーズをほうふつとさせる。レンズ回りにコントローラーリングがあるのもPowerShot Sっぽい。PowerShot Gにはあったアクセサリーシューも小型化優先のためかG7 Xにはない。
でも上面を見ると、独立した露出補正ダイヤルがあり、それはまさにPowerShot Gシリーズだ。ダイヤルが少し奥まっていて回しづらいが、逆にいえば不用意にバッグの中などで回ってはまずいダイヤルでもあり、これはこれでいいかも。
撮る時は右手親指が露出補正ダイヤル、左手がコントローラーリングとそれぞれがちゃんと働けばよし。操作系のカスタマイズも豊富に用意されている。
コントローラーリングの挙動を決めるRING.FUNCや動画ボタンもカスタマイズできるのでそこは自分が使いやすいようにすべし。ただ、コントローラーリングをISO感度に、背面のコントローラーホイールを絞り値にすることはできても逆はできない。
背面のモニタは3型でアスペクト比は3:2。静電容量式のタッチパネルを搭載する。タッチパネルはタッチAFやタッチシャッターに使う。タッチAFができるのはありがたい。
そのモニタはチルト式……だが、最も単純な、ヒンジが1軸だけのもの。上に180度まで回転する。チルト式というと、一般的にはローアングル/ハイアングル撮影に便利なものだが、G7 Xの場合は自分撮り優先で、ローアングル撮影時も便利に使えますよという感じ。
個人的には上にしか回転しないのは残念な感じがするけれども、このコンパクトさでモニターをチルトさせてくれたのは素晴らしい
Wi-Fiは従来通りメニューから細かく設定できるほか、側面のワンタッチスマホボタンですぐ登録したスマホとつないだり、NFCを使って簡単に接続したりとレベルアップしている。
とまあ、総じて「コンパクトでシンプルで1型センサー+明るいレンズ」というハイエンドコンデジであるが、ひっかかった点が1つある。
キヤノンは製品発表会で、G7 Xのメインターゲット層は50〜70代のシニア層だと言ったのだ。シニア層というのはおおむねフィルムカメラの時代を知っているし、何より老眼である。進行は人によって違うが、老眼率がぐっと上がる世代なのだから、視度補正を使ってコントロールできるEVFは必須、少なくとも自分撮りより優先するべきなんじゃないかと思うのだけど、いかがなものでありましょう?
まあEVFが欲しいとか、グリップしやすいデザインがよかったとか、勝手なことを言い出せばキリがないんだけれども、サイズとクオリティと価格のバランスで考えると、G7 Xのコストパフォーマンスの高さは素晴らしく、下手な1/1.7型センサーのハイエンド機を買うより少し予算を上げてこっちを選んだ方が幸せになれるかと思う。この価格でこの画質のカメラを出されたらかなわんですよ。
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