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カシオの「EXILIM EX-ZR1600」に見る、スマホ時代のコンデジのあり方撮ったらすぐにスマホに転送(1/3 ページ)

Bluetooth SmartとWi-Fiを組み合わせて、スマートフォンとのWi-Fi接続がストレスなく行える製品が登場してきた。今後、スマホと組み合わせて使うタイプのコンパクトデジカメは、こうしたスタイルになっていくのかもしれない。

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 いまやどのデジカメもWi-Fiでスマホと接続するってのは当たり前になったんだけれども、今ひとつ使い勝手に難があるのはみんな感じてるところ。

 Wi-Fi接続にかかる時間は仕方ないにしても、それをなんとか簡単に済ますために、各社あれこれ工夫をする中で、だいぶ増えてきたのがNFCだ。NFC自体でデータのやりとりをするのではなく、NFC内蔵スマホをカメラにかざすと、それをトリガーとしてスマホとカメラをWi-Fiで接続するわけである。ただ残念なのは、iOSで使えないこと。

 そこに新たな手段が出てきた。Bluetooth Smartである。

 カシオの「EXILIM EX-ZR1600」とオリンパスの「OLYMPUS AIR A01」がそれを採用してる。Bluetooth+Wi-Fiはカメラとスマホの関係を進化させるか。そこに注目してみたい。

EXILIM EX-ZR1600
カシオのEXILIM EX-ZR1600

EXILIM EX-ZR1600は自分撮りに強いカシオの主力モデル

 多くのカメラメーカーが主力機をハイエンドコンデジやレンズ交換式カメラにシフトしていく中、普及型コンデジをメインに据えた唯一のメジャーブランドといってよいカシオ。

 とはいえコンデジ市場がスマホに食われるという昨今の動向に巻き込まれないわけもなく、何かに特化しないとダメだよねってことで力を入れているのが「自撮り」である。カシオといえば自撮り専用デジカメといっても過言ではない、TRシリーズが東アジア圏で大ヒットしており、そのノウハウがZR1600にも詰め込まれている。

EXILIM EX-ZR1600
液晶モニターが上に180度開き、自撮りも簡単

 モニターを180度回転させると自撮りモードになり、自撮り用にフロントシャッターを用意したり、自撮り時はシャッターを押すと「モーションシャッター」モードになり、カメラの前で何か(手を振るとか)モーションを起こすと、3秒セルフタイマーが起動して撮影される。

EX-ZR1600
レンズの左下に見えている黒いボタンはフロントシャッターで、自撮り時はローアングル撮影時にシャッターボタンとして使うと便利

 おかげで撮影のタイミングをはかりやすいし、レンズの前で手を振り続ける限り何枚でも撮れるからハンズフリーでいけるし、失敗してもリカバーできる。

 もう1つ面白いのは、デフォルトで美肌効果がかかること。たいていのカメラは別途美肌モードで撮るか、メニューからその効果をオンにしないと美肌効果はかからないが(まあカメラとしてはそれが普通だ)、カシオはデフォルトで「メイクアップ」がオンになってる。だから普通に撮れば、顔を検出すると顔が明るくなり、肌は滑らかになるというわけだ。

EX-ZR1600
美肌効果は肌の色や肌の滑らかさで選べる

 結果がこれ。

EX-ZR1600
美肌効果がかなりかかってるのが分かるかと思う

 カシオらしい大胆さだ。

 カメラとしては一般的な高倍率普及型コンデジ。1/2.3型センサーに25ミリ相当からの18倍ズーム。レンズはF3.5-5.9で絞り値は2段切り替え式とこのクラスでは標準的なものだ。ISO感度は80から3200。ハイスピードEXILIMシリーズだけあってレスポンスの速さと連写系の機能は充実。AFは公称で約0.18秒。連写は秒30枚と超高速。

EX-ZR1600
秒30コマの連写から一部を抜き出してみた。この速さはたまらん

 従来通り、シャッターを半押しした瞬間から内部で撮影をはじめ、全押しするとその瞬間の前後を記録してくれるパスト連写や、連写+合成を使ったHDRや手持ち夜景機能、フォーカスを変えて撮影した写真を合成する「全焦点マクロ」や逆に背景をぼけさせる「背景ぼかし」など速さを生かした機能が面白い。

 1/2.3型センサー機だけあって、大型センサーを搭載する機種と比べると、基本的な画質はさほど高いとはいえないが、それを補うべく速さや機能で工夫しているのだ。

 撮影モードもPASMの各モード(ただし、絞り値は2段階なのでさほど凝った設定はできない)に加え、たくさん用意されている。

EX-ZR1600
撮影モードダイヤルの構成がカシオらしい個性なり

 まずは基本となるプレミアムオートPRO。

 シーンを認識して「メイクアップ」までしてくれる(要するに肌は美肌に、風景はより鮮やかに、とメイクしてくれる)ので普段はこれでOkだ。撮り比べてみると、差が分かる。

EX-ZR1600
上野の清水観音堂を下から広角端で撮り比べ。こちらはプレミアム
EX-ZR1600
こちらは絞り優先。プレミアムオートは色や露出をコントロールして青空が残るよう調整しているのが分かる

 プレミアムオート時はAFもインテリジェントにカメラが決定してくれる。

EX-ZR1600
モニターを開き、ローアングルで菜の花と桜と煙突を入れてみた。フォーカスは自動的に手前の菜の花に

 不満なのはタッチパネルじゃないこと。プレミアムオートはいいんだけど、ときどき狙いとは違ったところにピントを合わせにいっちゃうので、そのときさっと指定できるといいなあと。

 続いてBSとART。BSとは「ベストショット」の略で、カシオおなじみのもの。シーンを指定すると、かなりあれこれ凝った写真を撮ってくれる。

EX-ZR1600
BEST SHOTモード

 ARTはアート系のフィルターを集めたモノ。HDRアートを筆頭に、宙玉フィルタやジオラマなど多彩なものが集められている。

EX-ZR1600
Art Shotモード

 TLはタイムラプス。タイムラプス専用のポジションを持っているだけでもユニークだが、さらにあらかじめシーン別にセッティングが用意されており、簡単にタイムラプス動画やインターバル撮影を楽しめる。

EX-ZR1600
Time Lapseモードには、多彩なタイムラプスのパターンがある

 ちょっとしたアイデアだけど便利なのが、ARTモードのトリプルショット機能(□が3枚重なってるヤツ)。パスト連写って機能的には素晴らしいけど、一度に大量に撮れちゃうから整理が大変だしメディアも圧迫しちゃう。トリプルショットはシャッターを切るとその前後(0.2秒前と後)を含めて3枚だけ連写してくれるプチ連写だ。

EX-ZR1600
猫パンチの瞬間を撮ってみた。シャッターを切った瞬間は間に合わなかったけど、3枚のうち、1枚目で撮れてた
EX-ZR1600
トリプルショットのおかげで撮れた1枚

 さらにハイスピード動画なんかも撮れる。

 画質については1/2.3型センサーなのでそれ相応だが、その分、実に多彩なデジタルならではの機能を詰めこんでるのがカシオらしさだ。

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