特集
DATAPRESS――パナソニック:電子書籍端末ショーケース
往年の名機から最新のタブレットまで――古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。今回は、松下電器産業(現:パナソニック)が1990年代に国内販売していた電子ブックプレーヤー「DATAPRESS」を取り上げる。
製品概要
松下電器産業(現:パナソニック)が国内販売していた電子ブックプレーヤー。ソニーのDATA Discmanシリーズと同じくEB、EBG、EBXAの各方式に対応し、8センチCD-ROMで供給される辞書や語学学習などの電子ブックを読み込んで利用する。
ここで紹介している「KX-EBP2」はDATAPRESSブランドの2代目となる製品で、クラムシェル型のボディ、キーボード下部に電子ブックを格納するギミックなどはDATA Discmanシリーズのそれに近い。音声再生はもちろんのこと、付属のAVケーブルを用いて画面をテレビに出力する機能も備える。電子ブックは「プロシード英和&和英辞典」と「福武国語辞典」「英会話スキット20」が1枚にまとまった形で添付される。
このほか、DATAPRESSブランドの電子ブックプレーヤーとしては、1992年6月に発売された初代の「KX-EBP1」のほか、英検対応モデルの「KX-EBP30Z」「KX-EBP31Z」なども存在していたが、ソニーの「DATA Discman」よりもひと足早い1990年後半には生産が終了している。なお、同社から後に発売されることになる電子書籍端末「ΣBook」などとの直接の関連はない。
スペックで見る「KX-EBP2」
メーカー | 松下電器産業(現:パナソニック) |
---|---|
国内発売時期 | 1994年3月 |
発売時価格 | 3万9800円 |
専用/汎用 | 専用 |
OS | 独自 |
OSバージョン | - |
サイズ | 167.0(幅)×117.4(奥行き)×32.8(高さ)ミリ |
重量 | 約550グラム(電池および電子ブック含む。本体は約460グラム) |
解像度 | 256×192ドット |
ディスプレイ | モノクロ液晶 |
カラー/白黒 | モノクロ2階調 |
画面サイズ | 4.3インチ |
通信方式 | なし |
Bluetooth | なし |
内蔵ストレージ | なし |
メモリカードスロット | なし |
バッテリー持続時間(メーカー公称値) | 6時間(電子ブック検索時) |
タッチ操作 | 非対応 |
対応フォーマット | EB、EBG、EBXA |
コネクタ | なし |
電子書籍ストア | なし(8センチCD-ROMで供給) |
そのほか | 派生モデルとして、カラーバリエーションの「KX-EBP2-A」や、TBSブリタニカの「ブリタニカ国際大百科事典 電子ブック小項目版」をセットにした「KX-EBP2-TB」などが存在する |
最終更新日:2012年3月28日
写真で見る「KX-EBP2」
ソニーの「DATA Discman」シリーズと同様、クラムシェル型のボディを採用。キーボード下部に電子ブックを収納するギミックも共通している(写真=左)/座学を前提としたボディのため、持って利用する用途には向かない(写真=中央)/ボディサイズはかなり大柄。バックライトは備えないことから、液晶部の厚みはあまりない(写真=右)
上蓋を閉じた状態。EBXAフォーマットへの対応を示すロゴが上部にみえる。94年発売のモデルということもあり、のちに策定された拡張規格のS-EBXAフォーマットには対応しない(写真=左)/底面。とくに端子類はない(写真=中央)/背面。電源コネクタのほか、左端にはテレビに出力するためのAV端子が見える(写真=右)
キーボードはQWERTY配列。辞書ソフト固有のキーはみられず、汎用的なF1〜F5キーを搭載。左下にはスピーカーを備える(写真=左)/操作パネル部を持ち上げて電子ブックを挿入することで読み込まれる。本製品添付の電子ブック以外にも市販の電子ブックタイトルが利用可能。またキャディにセットすることで音楽用の8センチCDも再生可能(写真=中央)/ACアダプタまたは単3電池×4で駆動する(写真=右)
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