この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
ソースからのコンパイルを行う場合、単に./configureと実行するとOS環境を調査して自動的にコンパイル環境が整えられる。しかし、この時点で意識的にバイナリのインストール先ディレクトリを変更したり、あらかじめ設定をしておくことが可能だ。
オプションにはさまざまなものがあるが、ここではApacheを例に挙げてみた。ソフトによって異なるため、他のものの場合にはまずヘルプメッセージを眺めてみるのもよいだろう。
オプション | 内容 |
---|---|
--help、-h | ヘルプメッセージを表示 |
--show-layout | インストールを行うディレクトリレイアウトを表示 |
--quiet、--silent | configure時のメッセージを非表示に |
--verbose、-v | 詳細なメッセージを表示 |
--shadow[=DIR] | make時にテンポラリとして作成するシャドウディレクトリを指定 |
基本オプション |
オプション | 内容 |
---|---|
--with-layout=[F:]ID | file F から取得したインストールパスレイアウトIDを使用する |
--target=TARGET | TARGETで指定した名前を使用して関連づけられたファイルをインストールする |
--prefix=PREFIX | PREFIXで指定されたディレクトリにApache(コマンド)をインストールする |
--exec-prefix=EPREFIX | EPREFIXで指定されたディレクトリにhttpd(デーモン)をインストールする |
--bindir=DIR | binディレクトリをDIRで指定 |
--sbindir=DIR | sbinディレクトリをDIRで指定 |
--libexecdir=DIR | libexecディレクトリをDIRで指定 |
--mandir=DIR | DIRで指定したディレクトリにman(マニュアル)をインストールする |
--sysconfdir=DIR | DIRで指定したディレクトリに設定ファイルをインストールする |
--datadir=DIR | DIRで指定したディレクトリにデータファイルをインストールする |
--iconsdir=DIR | DIRで指定したディレクトリにアイコンファイルをインストールする |
--htdocsdir=DIR | DIRで指定したディレクトリをドキュメントファイル(httpで公開するインデックス)として設定する |
--cgidir=DIR | DIRで指定したディレクトリをCGIディレクトリとして設定する |
--includedir=DIR | DIRで指定したディレクトリにインクルードファイルをインストールする |
--localstatedir=DIR | DIRで指定したディレクトリに修正可能なデータファイルをインストールします |
--runtimedir=DIR | DIRで指定したディレクトリにランタイムデータをインストールする |
--logfiledir=DIR | DIRで指定したディレクトリにログファイルをインストールする |
--proxycachedir=DIR | DIRで指定したディレクトリにプロキシのキャッシュデータをインストールする |
インストールレイアウトオプション |
オプション | 内容 |
---|---|
--enable-rule=NAME | NAMEで指定したルールを有効にする |
--disable-rule=NAME | NAMEで指定したルールを無効にする |
--add-module=FILE | 標準以外のモジュールを追加して組み込むようにする |
--activate-module=FILE | 標準以外のモジュールを使用可能な状態にする |
--permute-module=N1:N2 | モジュールの読み込み順番を指定する |
--enable-module=NAME | モジュールを有効にする |
--disable-module=NAME | モジュールを無効にする |
--enable-shared=NAME | DSOとして組み込まれたモジュールを有効にする |
--disable-shared=NAME | DSOとして組み込まれたモジュールを無効にする |
--with-perl=FILE | Perlのインタプリタへのパスを指定する |
--with-port=PORT | httpd.confで指定する標準のポート番号を指定する |
--without-support | サポートツールのインストールを無効にする |
--without-execstrip | ストライピングをインストール時に無効にする |
--server-uid=UID | httpを稼働させる際のUIDを指定する |
--server-gid=GID | httpを稼働させる際のGIDを指定する |
Apache設定オプション |
このように実にさまざまなオプションが用意されている。ただしほとんどのものは、前述したように単に./configureと入力すれば自動的に環境を読み込んでくれるため、通常は1つ1つを理解しておく必要はないだろう。一般的に、インストールレイアウトを意識的に変更したいといった場合以外、指定することは少ないかもしれない。
しかし、実際にmake installしたものの、実行コマンドが分からないなどとならないよう、あらかじめ./configure --show-layoutを実行してレイアウトを確認することをおすすめしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.