上半期のウイルス届出件数、Netskyが押し上げ3倍に―IPA/ISEC

IPA/ISECが7月5日にまとめた2004年上半期のコンピュータウイルス・不正アクセス届出状況は、2003年上半期に比べて約3倍の2万1957件だった。

» 2004年07月05日 17時23分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は7月5日、2004年上半期のコンピュータウイルス・不正アクセス届出状況をまとめた。

 今年上半期は、前年同期(7366件)に比べて約3倍の2万1957件におよんだ。要因として、IPA/ISECはBagle/Mydoom/Netskyワームそれぞれの亜種が猛威を振るった点を挙げている。こられ3種類のウイルスの届出だけで、IPA/ISECに寄せられた届出全体の半数以上の1万1324件を占めているためだ。

 3月からNetskyの届出件数が突出しており、上半期7571件でトップ。2位はMydoomで2106件、3位はBagleで1647件となった。またKlezが継続して300件前後の届出が寄せられている点を言及している。

 7月2日にトレンドマイクロが発表した上半期のコンピュータウイルス感染被害レポートでも、前年同期比で2倍を記録しており、ウイルスは拡大の傾向にあるようだ。

 不正アクセスの届出状況は、前年同期比56.3%増の325件となった一方で、被害届出件数は36件となり前年同期に比べて44.6%減少した。被害内容は、侵入18件、メール不正中継3件、アドレス詐称4件、DoS(サービス妨害)攻撃4件、そのほか7件だった。

 IPA/ISECによれば、被害の原因として一番多く届けられたのはID/パスワード管理不備。これらの管理は最も基本的な対策だが、最も見落としがちな対策でもあるとして、個人/システム管理者ともに改めて対策の確認をするように呼びかけている。

6月度届出状況

 同時に発表された2004年6月のコンピュータウイルスの届出件数は、5422件だった。5月の5438件から高水準で推移した。ここでもNetskyが届出数1875件で1位。2位がBagle(502件)、Klez(362件)となった。IPA/ISECに寄せられた届出の検出数のデータでは、Netsykが全検出数の90%を占めており、蔓延状況が継続している。

 IPA/ISECでは、ウイルスメールの発信元になっていることに気付かずにいるケースが多々あるため、PCの動作が遅いなどいつもと違うことがあれば、ウイルスチェックを行うように、としている。

 また不正アクセスの6月の届出件数は52件で、45.8%の減少。被害届出件数も4件と5月の6件から減少した。内訳は、侵入1件、メールアドレス詐称1件、DoS(サービス妨害)2件。

 最近Webサーバに細工を施したJavaScriptコードを仕込むことで、ユーザーが気づかないうちに不正なプログラムをダウンロードされるケースが報告されている。システム管理者は、自分のサーバが踏み台とならないために、修正プログラムを適用するなどの対策をとるように促している。

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