.NET Frameworkアプリケーションの開発をする際、多くの開発者が利用するのが、マイクロソフトのVisual Studio .NETだ。
Visual Studio .NETは、.NETを直接扱うマイクロソフト製品ということもあり、最新の.NET Frameworkへの対応が早い。また、入手できるドキュメントやサンプルプログラムなどが、Visual Studio .NETを前提としていることも多く、資料が豊富にあるのも人気の理由のひとつだ。現状では、Visual Studio .NETが.NET Frameworkアプリケーション開発におけるデファクトスタンダードといえる。
Visual Studio .NETは、次の開発言語に対応する。
またVisual Studio .NETでは、.NET Frameworkアプリケーション対応のインストールプログラムを作ることもできる。
VB.NETは、Visual Basic 6.0の後継ではあるものの、言語仕様が大きく異なる。そのため、文法が似ているというだけであり、似て非なるものであると思ったほうがよい。言語仕様が大きく変わった理由は、.NET Frameworkが、オブジェクト指向の実行環境であるためだ。
そのためVB.NETでは、.NET Frameworkに対応すべく、言語仕様として、クラスやオブジェクトに関連した機能が多く盛り込まれた。詳細は省くが、.NET Frameworkアプリケーションは、クラスの固まりとして構成される。そのため、もはやクラスやオブジェクト指向を知らずしてアプリケーション構築は困難だ。
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当然、Visual Basic 6.0とVB.NETでは、言語仕様だけでなく、利用するライブラリも異なる。
従来のVisual Basic 6.0では、フォームにActiiveXコントロールを貼り付けてアプリケーションを構築していた。また、COMコンポーネントを使ってVisual Basic 6.0の機能を拡張していた。しかしVB.NETでは、.NET Frameworkのクラスライブラリを使う。つまり、フォームに貼り付けるのは、ActiveXコントロールではなく、.NET Frameworkのコントロール(クラスをGUI化した部品)となる。
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VB.NETでフォームに貼り付けるコントロールは、VB.NETで提供されるものではなく、.NET Frameworkによって提供されるものだ。つまり開発言語の依存はなく、後述のC#、J#など、他の開発言語はもちろん、他の統合開発環境からでも同じようにGUIで開発できる(画面1)。
.NET Frameworkでは、Windowsアプリケーションだけでなく、Webアプリケーションの場合にも、「Webフォーム」という形式で構成する。このWebフォームは、Windowsフォームと同じく、テキストボックスやボタンなどのコントロールを配置することで、Webページを作り上げていくものだ(画面2)。
GUI開発でドラッグ&ドロップして配置するコントロールは、自作することも容易だ。自作する場合にも、開発言語に依存する部分はない。C#で書かれたコントロールをVB.NETで利用するか、その逆なども可能である。
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